アニメ AngelBeats! 第10話 『Goodbye Days』※ユイ視点の記事です
【満足が贅沢】
今では享楽者とか快楽主義者という誤解された意味でのみ使われている“エピキュリアン”という言葉だが、
その語源となった古代ギリシアの哲学者エピキュロスは、生きていく上での快楽を追求した。
そして辿り着いた頂点が、満足という名の贅沢だった。その贅沢に必要なものは、しかし多くはなかった。
即ち、小さな庭、そこに植わっている数本のイチジクの木。少しばかりのチーズ、三人か四人の友達。
これだけで、彼は充分に贅沢に暮らすことができた。 (『漂泊者とその影』 ニーチェ)
【お別れの日々】
さようなら、私の日常。
後ろから車に撥ねられ、身体が動かなくなり、入院することになった。
五体満足ではなくなった私の身体。
空を飛べないのは愚か、地を歩けもしない身体。
もっと自分の思い通りに動いて生きたかった。
思いっきり動いた後は、誰かと結婚してその人と一緒に楽しい日々を堪能していくんだ。
そんな“生まれながらにして持つ当然の権利”を神様は私から奪ってしまった。
だけど、神様は最後に希望の光を与えてくれた。
今、私が居る死後の世界だ。
自由に動かすことができる身体と、自由に振る舞える環境を与えてくれたんだ。
寝たきりの私にはテレビという内なる世界しか目に映せなかったから、自ずと
これがやってみたい、あれはいいなと欲求を膨らませていく以外ほかなかった。
唯一の支えはお母さん。
いつも笑顔で優しく私のお世話をしてくれる大切なお母さん。
お母さんの温もりに包まれて、幸せを享受しているのに不変で不平不満の日常は私を蝕んでいった、
【満足のいく人生って贅沢?】
コッチの世界ではお母さんは居ないけど、自由がある。
私に足りなかったものがコッチの世界で追加された感覚だ。
音楽のボーカルはコッチの世界では幾度となく経験し、何とか夢は叶った。
だけど、まだやりたいことがたくさんある。
それに協力してくれたのが音無先輩。
どういう風の吹き回しか、先輩は懸命に私の夢を叶える為に親身になってサポートしてくれた。
その甲斐あって、私は自分のやりたいことをやり尽くし、満足感に浸ることができた。
―――もう一つの史上最大の夢。・・・・・・・・・結婚―――
これは流石に叶えてくれないだろう、そう思った瞬間だった。
日向先輩が夢を叶えてくれると、周囲の音を消し去る強く気高い口調が鳴り響いたから。
―――コッチの世界でユイに出逢えた。生前の世界でも出逢える。運命の出逢いが必ず待ってる―――
待ち焦がれていた至高で至福に満ちた言葉。
私は歩けないよ? 自由に遊べないよ? 絶対、迷惑な存在になるよ?
それでもいいの?
『ずっとずっと側にいてやんよ! お前がどんな身体だって、絶対に結婚してやんよ!!!』
私の頰に熱い水が滴る。
―――じゃあ、介護してくれたお母さんのこと・・・楽にしてあげてね―――
『任せろ!』
―――・・・・・・・・・・・・・・・良かった―――
さようなら、私の日常。
ここで私の日々は終わるんだ。
何て贅沢なんだろう。
死後でしか味わえない“真実の満足”を手に入れたのだから。
神様、ありがとう。
お母さん、ありがとう。
音無先輩、ありがとう。
日向先輩、また・・・“アッチの世界”でも逢おうね。
お別れの日々。
それは、私だけの物語。
病院のベッド、お母さん、日向先輩。
そして、三人だけの温かい団欒。
―――これだけで、彼女は充分に贅沢に暮らすことができました―――(終)【感想】
ニーチェばかりでごめんなさい。
このアニメは人生がテーマだけあって、ニーチェの言葉が一番しっくりくるんです。
仕様です。すみません。
急展開ということは、やはり1クールなんですね、残念です。
次回で世界が変わるということは・・・何かが“リセット”されるのでしょうか。
何か生前の世界の話もアニメ化して欲しいなぁ?と思った今日この頃です。
要するに“IFの世界”ですw
第10話 『Goodbye Days』 (動画)次回 第11話 『
Change the World』
⇒ 世界が変わる・・・。生前の世界に?
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>観鳥さん
コメントありがとうございます!
>岩沢とユイ
岩沢のバラード 『My Song』 を聴いて、独り泣いていたユイ。
それを考えると、ユイには岩沢の想っていた詩自体は書けませんね。
書けないから、泣いていた。
自分の気持ちと同じような詩を歌ってくれた岩沢の曲だからこそ、泣いた。
岩沢は自分で想いを告白し、人生を全うしたから消えた・・・というところでしょうか。
ユイは違った形で夢を語れることができた。
日向という存在が夢の架け橋になり、生前へと還っていった。
確かに夢の終わりですね。
>12話
そして、天国への扉を叩いた・・・と。
日向は独り死んだ世界に残っても、ユイに再び逢いたいという気持ちは抑えていましたね。
その後、謎の影が突如として現れたんですよね。
ユイの恋、日向の恋・・・つまり、愛が芽生えたから・・・なんでしょうか。
本来なら日向も消えていなくてはならなかったのに、日向のSSSを最後まで見届けたいという想いが強かったが為に
そのまま死んだ世界に残り続けた。
これは、プログラマーと同じ運命が作動したのも同然で、影が出現したということなんでしょうね。
・・・影のプログラムとNPC化の順序はどっちなんでしょうね。
まぁ、NPC化が先だとは思ってはいますが・・・。
>奏
なるほど、やはりプログラマーが待ち続けているのは奏の可能性がありますか。
他ブログ様でも同じような考えを持っていた方々がいました。
今もNPCになっても待ち続ける彼・・・。
今は意思を影で隠していると思われる為、苦しみは感じていないものの、存在し続けている以上は
彼女に逢わなければいけませんよね・・・。一種のゲームルールみたいですね。
さて、難しくなってきましたw
全部叶う。 本当に叶えてもらって、一つの無限が閉じた。
Alchemy 、岩沢さんが書いた詩より。あれはきっとユイには書けなかった。
そんな当たり前のことに気付いたこの日。だからファンだったの?幽かに想う
日常の先に夢があって、夢の向こうに日常があって。
恋しい気持ちが結ばれて、恋が出来ました。愛も貰えました
ずっと心の底にあった願いも託せました。恋に焦がれた少女の夢はここで終わり
(12話へ)
けれどその先は? 生前なら今まで通り、或いは少し変わった二人の日常が見れたかもしれない
しかし片割れが消えてしまって、それは叶わない。なら何処へ行く? 二人が描いたもしもの世界へ?
消えた後でそれが待っているのかも知れないけれど、でもその前に。一人片割れが残されて。
ユイと日向の場合は平気だった。だけれどKnockin' on heaven's doorのNPCになることを選んだ誰か
誰かの場合はそれが悲しみを寂しさを残した。いなくなったあの人を待ち続けます、また会えますようにと
それが辛くて《影》のプログラムを作ったのかな。影とNPC化順序はどっちが先? ゆりも問うていた
その先に消えた彼女、ないし残された誰かが奏じゃないかとか。読んだり考えたり。
是非は分からない。けど会いたい人に会えてないから消えないって想うと、納得しそうになった
どうしてここにいる? 会いたい人がいるから、この場所で
遅れてしかも9話以外のはなしが長くなったけれど、めげずにまた次回
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「審判!レッドカードだろ今の!!」
「セーフ!!!」
「・・・どこの誰のつもりだよ。」
[2010/06/08 17:54]
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水たまり
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第10話『Goodbye Days』Angel Beats! 1 【完全生産限定版】 [Blu-ray]今回は・・・極端な話、ユイを消す話?
[2010/06/06 16:32]
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つれづれ
【アニメ】 Angel Beats! 第10話 「Goodbye Days」 感想
Don't try this at home.
Angel Beats! 第10話 「Goodbye Days」
の感想です。
[2010/06/05 21:06]
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Angel Beats! 第10話 「Goodbye Days」
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[2010/06/05 19:07]
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物理的領域の因果的閉包性