アニメ GOSICK -ゴシック- 第24話 (最終話) 『死神の肩越しに永遠をみる』【 心にはいつも喜びを 】利口であれ。そして、心に喜びを抱け。
できるならば、賢明でもあれ。
そして心には、いつも喜びを抱いているように。
これが人生で最も大切なことなのだから。 (『漂泊者とその影』 ニーチェ)
【 春来たる妖精 ~一心同体の想い~ 】利口で、そして賢明でもあった灰色狼は喜びを失った。
履行(※)で、そして懸命でもあった黒き死神もまた喜びを失った。
されど、二人の心は決して離れなかった。
灰色狼は黒き死神の行方を信じ、彼の故郷へと“懸命”になりながら
辿り着き、黒き死神は灰色狼の無事を信じ、“賢明”な判断を怠らず、
戦地から生還した。
・・・・・・灰色狼は銀色の妖精へと転じ、黒き死神は履行という名の春を呼び起こす・・・・・・
そして、二人は再会し、失われた喜びの感情を蘇らせ、
共に人生を歩んでいく。
―――いつまでも、いつまでも、彼らの喜びが途絶えるまで―――※履行…言葉通りに実行すること。
≪感想≫灰色狼の村の村長のお告げ、『二人の心は離れまい』。
まさに、これが叶った瞬間でした。
戦争が絡む時代だからこそ、この言葉の重みはかなりありますね。
最後の最後で賢明だったヴィクトリカは懸命へ、懸命だった久城は賢明に
なった気がしました。
だからこそ、二人の心は離れずに、一心同体だったといえますね!
そういえば、久城が強制参加させられた戦争は現実世界で時期的に考えて
山東出兵なのかな?
いや、地形的に考えると違いますかね。
この後は昭和恐慌と不況化の時代が続き、満州事変→日中戦争→太平洋戦争(第二次世界大戦)へと発展していきますね…。
そのような流れの元でGOSICKの作品が描かれたら、ヴィクトリカと久城の二人がそれらをどう乗り越えていくのか、
観てみたいと思いました。(年老いてしまいますけどねw)
どうでもいいですが、日本は1917年から金輸出禁止していましたが、1930年になると緊縮財政の一環として金輸出の解禁を行います。
(でも、経済の混乱が起こり、1931年には再禁止となります)
面白いことに、金をヴィクトリカつまり金髪と例えると、ヴィクトリカが輸出解禁=日本国外へ移動可能と捉えることができます。
最後の描写でソヴュールの風景だと思われる所を二人で歩みだした演出がありましたが、もしや二人が国外へ移動し、
その後、幸せに暮らしたことを象徴させたものだったのかもしれませんね。
金解禁すなわち、ヴィクトリカ指名手配が何らかの理由で消えた・・・みたいな感じです。
現に久城が夢描いていたヴィクトリカとの再びの外旅行が叶ったのかもしれないですね!
こうなってたら、さらに面白いですね!
しかし、ヴィクトリカの母コルデリアも亡くなるとは・・・悲しすぎるぜ、ちくしょ~!
全話、記事には書けなかったけど、最後くらい記事に。
それではまた!
第24話 (最終話) 『死神の肩越しに永遠をみる』 (動画)
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アニメ GOSICK ?ゴシック? 第9話 『人食いデパートに青薔薇は咲く』【 和洋折衷の物語 ?着物と青き薔薇? 】金色の妖精は風邪を引いてしまいました。
東洋の少年から寝間着用に着物という和服をもらい、大いに気に入ってしまったことが原因でした。
しかし、その少年から着衣の仕方を教わるまでもないと自らの知恵の泉で理解していると
強情にも言い張ったことが、そもそもの要因でした。
経緯は次の通りです。
金色の妖精である彼女は着物の試着をしてみたのはいいのですが、肝心の帯を緩く結んでしまい、
全体的にただ羽織っただけの寝間着になってしまったのでした。
そのまま寝床につき、彼女は赤ん坊のようにすやすやと眠り込んでしまったのです。
起きてみたら、風邪ひき妖精へと変身していました。
彼女は少年がそんな時に自分を置いて出かけてしまうことに心底、寂しがっていました。
寂しがっていたのはもしかすると 『お土産もくれないなんて!』 と心の中で思い、
その点に尽きただけだったからなのかもしれませんが・・・。
一方、東洋の少年は家族である姉から買い物を頼まれたみたいで
ソヴレムの街まで出かけることになりました。
何でも『青い薔薇』と呼ばれる世界でも有数の大きさを誇るブルーダイヤモンドのガラス製の模造品を
頼まれたようなのです。
それは昨今、女性に人気のあるペーパーウェイトだったのです。
青い薔薇のペーパーウェイトが売っている場所はソヴュールの首都であるソヴレムにあるとのことです。
そこに『ジャンタン』という名称の大きなデパートがあるようです。
彼はそこへ出向きましたが、英国からの留学生である少女に怪談話を持ち込まれたことをきっかけに
その内容と瓜二つのデパートに遭遇してしまったのでした。
店内は妖しく、店員は怪しいという、奇妙なデパートなのです。
北欧系の青年店員に青い薔薇のペーパーウェイトの場所を訊ねると、
最上階の奥にあると案内されたのでした。
そこに向かうと他の客が一人もいない所で、まるで宝石店のような内装が施されていた外観が彼の目に映りました。
その直後でした。
大柄の男と店員と思われる女性が入ってきて、彼はその男に怒鳴られてしまいました。
事情聴取のような訊ね方でここにいる目的を問いかけられた彼は素直にペーパーウェイトを
買いにきたことを告げたところ、2Fの文具売り場にあると教えられたのでした。
彼は訝しがりながら、エレベーターで目的地へと向かいましたが、1階まで降りてしまい、仕舞いには迷ってしまうのでした。
仕方なく、1階の奥へと進みましたが、そこは仄かな光があるだけで薄暗い場所でした。
売り場でないことを確認した彼は戻ろうとしましたが、突然ガタッと物音がしたのを機に、
興味がそそられるようにして彼は奥へと確かめに行くのでした。
奥にはマネキンが多く並べられていて、どうやら倉庫のようでした。
周辺の木箱1個が不自然な形で置かれているのに気づいた彼はその箱の蓋を取り、中身を確認しました。
すると、中にはマネキンではなく本物の人間がうずくまるようにして入っていたのでした。
砂色の髪をした少女が瞳を閉じながら、木箱にずっと閉じこもっていた様子でしたが、
彼女は突然、彼に覆いかぶさるように襲いかかり、「悪魔がいる!殺される!警察を呼んで!」 と
救いを求めるように彼の手首を両手で掴みました。
彼は何が何だか判らず、彼女に何があったのか訊ねようとするも同じ文言が返ってくるだけでした。
途中、手首を放された彼は彼女から距離を少し取りましたが、その直後、ガス灯が消えて真っ暗闇になり、
彼は彼女に呼びかけを応じました。
しかし、周囲に物音すら立たないほどの静けさと闇の気配だけが残り、彼女はガス灯と共に消えていました。
少年はこの件をソヴュール警視庁にいたグレヴィールに訊ね、事の成り行きでグレヴィールと調査を
することになった少年は、デパートへと再度赴きました。
すると、事態は彼が思った方向には向かいませんでした。
少年が訪れたデパートはまやかしだったのか。
グレヴィールは呆れ返り、警察庁へと戻ってしまいました。
暫くして、少年は風邪ひきの妖精に電話をかけ、今回出くわした事件のような出来事を
話そうとしました。
しかし、途中、通話が途切れ、少年は馬車で誰かに攫われてしまいました。
妖精はソヴュール学園の教師と来訪していた医者に状況を利用され、嫌いな注射器をちょうど無理矢理、刺された
ところでした。
妖精はその痛みに悲鳴にならない程の奇怪な声を発し、突然、少年との通話が切れてしまったことに
戸惑いを感じつつも、その顔は涙で濡れ、“肉体と精神が伴う苦痛”の表情になっていました。
―――これが東洋の服装なのだな! 私が着ればまさに和洋折衷だな♪―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
物語の流れをそのまま書くには辛いので、かなり省いた形にしましたw
いかにもお金が絡んでいるお話でしたね。
デパートに食われてしまった?砂色の髪をした少女が
倉庫に匿っているような行動をしている理由は一体・・・?
ところで、老女のような嗄れた声を発するヴィクトリカの歌は酷いですね。
次回 第10話 『
風邪ひきは頑固な友人の夢を見る』
第9話 『人食いデパートに青薔薇は咲く』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第8話 『過去の王国に遠吠えがこだまする』【 無実なる慈愛の証 ?友達と笑顔と? 】※今回はアニメ内容と原作含め、ヴィクトリカの想いを綴りました罪深き女・・・ハーマイニア。
僅か6歳にして当時の村長のシオドアを殺したのだ。
殺した理由はシオドアに“26歳の時にお前は死ぬだろう”と未来予測を告げられたから。
当時の夏至祭での村長の占いが原因だった。
ハーマイニアが村の掟や村長の言葉に強い信頼を寄せていたこと、これが今回の混沌の要だ。
人は誰しも自分に不都合な占い結果を言い渡されれば、負の感情が湧き立つだろう。
宗教のような信仰に陶酔をしてしまえば、それは自ずと疑心暗鬼にかかり、占いをした者に対して
憎悪の感情が芽生え、反社会的行動に躍り出てしまう。
まさに、ハーマイニアはこの感情の原理に象られてしまっていたのだよ。
だから、犯行を実行した時には自分を起点にして物事を考えるようになり、
利用できる要素が生まれれば即興で別の誰かを幻想の犯人として仕立て上げてしまう。
・・・その幻想こそが・・・私の母、コルデリア・ギャロだったのだ・・・。
20年もの間、村から足蹴にされ、村人たちから蔑まれ、
今を孤独で寂寥感に打ちひしがれながら生きているであろう母を考えただけでも胸が苦しくなる。
やっと、ここに母であるコルデリア・ギャロの“無実・無罪の証”が立てられたのだ。
母の遺伝子を受け継いだ、知恵の泉と共に解決をした。
もちろん、私一人だけでは解決への道は辿れなかっただろう。
久城とアンブローズの協力がなければ、私自身が今こうして聖マルグリット学園の大図書館に
居られるはずもない。
まぁ、ただ・・・この植物園という名の図書館からはずっと出られず仕舞いになってしまうかもしれないな。
兄のグレヴィールが今回の騒ぎを起こした関係者として私を捉え、父親のブロワ侯爵に報告をするのだろう。
その後、私への罰が有るか否か結果が下されるに違いない。
しかし、私は後悔はしていない。
私はコルデリアの無実を証明した。娘は母の名誉を守らなければならないのだから!
グレヴィールは言っていた。
コルデリアが生まれた村を追放された理由が冤罪だったとしても、先の世界大戦(第一次世界大戦)で
様々なことを引き起こした張本人であることは変わりない。その血を引く娘に“自由”が与えられない
ことにも、変わりはしないだろう、と。
グレヴィールらしくない発言だったから、おそらくは父親の受け売りだろうと指摘してあげたら
怒った怖い形相をして私を睨んでいたよ。
図星かなと私はふと思い、特に気に留めることもなく彼の怖ろしい視線を受け流した。
後悔をしていない理由の一つは久城が居るからだ。
彼が居ると、何故かいつも私は自ずと“自由”を与えられている・・・ような気がする。
本来ならば図書館で過ごさねばならないが、彼がここへ来る度に私は“外の世界”へ
旅立つことができる。
中途半端な秀才の久城だが、私にとって唯一の下僕でもあり、百歩譲って“友達”でもある。
ハーマイニアの放火の影響で橋が崩れ落ち、逃げ遅れた久城が崖から落ちてしまった時。
私は自然と彼の手を必死に掴んでいた。
母から受け取った大切な金貨のペンダントなど構うこともなく、私は彼の手をしっかりと掴んでいた。
そして、私は懸命に叫んだ。
二人が離れるのはここじゃない!!!
夏至祭での占い・・・。
久城と私がいつまでも一緒に居られるかどうかを訊いたのだ。
答えは・・・占いの結果は納得できないが・・・それでも私は・・・。
母からの金貨のペンダントは失ったが、私はそれ以上のものを見つけ、
それを大切に思い始めている。
久城 一弥。
彼と一緒に居ると“笑顔”が絶えない。退屈しない。
君と離れる時は今ではない。
占いなど私と君が居れば、覆せるに違いない。
そう知恵の泉は・・・語りかけて・・・はくれない・・・が・・・。
私自身、ヴィクトリカが心の底から思ったことだ。
―――久城、お前が居てくれるだけで人生が楽しくなるようだ―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
ヴィクトリカが母の無実を勝ち取るぞ!と宣言するシーンが印象的でしたね。
「コルデリア・ギャロの無実に証を立てる!」
この台詞は少し鳥肌が立ちました。
原作は最後に後日談が描かれています。
図書館塔で一弥が眠ってしまっている時に
ヴィクトリカは 「・・・本より友達の方が大事だ」 と呟きます。
その後に突然、起き上った久城は 「・・・へへへ」 とヴィクトリカに向けて
嬉しそうな顔をします。
その際、ヴィクトリカは少しだけ頬を赤らめていた・・・という所で締めです。
ヴィクトリカには久城という“人間”が必要だということが解るシーンですね。
次回 第9話 『
人食いデパートに青薔薇は咲く』
(原作の第3巻の内容だと思われます)
第8話 『過去の王国に遠吠えがこだまする』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第7話 『夏至祭に神託はくだされる』【 コルデリア・ギャロの罪 ?母の無実を求めて? 】※今回はアニメ内容と原作含め、詩のような形で表現しましたエメラルドグリーンの瞳を持つ小さな金髪の少女は下僕である中途半端な
秀才の黒髪の少年と共に灰色狼の村の実態を調べていきます。
セルジウスという村長から、当時その少女の母であるコルデリアの罪を語りました。
何でも彼女は当時の村長であったシオドアという人物をナイフで背中を奥深く刺して
殺したのだと明らかにします。
しかし、現場の様相を想像するにわずか15歳で背の小さかったコルデリアが
身長が170cm以上のある大人の男性を刺せるはずもなく、また相当な怪力の持ち主でないと
不可能に近い至難の業で、とても彼女が行ったとは思えない・・・そう少女は考えます。
コルデリアと同じく、当時この村の館のメイドとして働いていたハーマイニアという少女は
その事件当時の年齢は6歳でした。
小さな金髪の少女は現村長のセルジウスという人物は反論を許さず、村中の何者も逆らえない状況を
生み出していると推測し、自分にシオドアが殺された書斎に招くのを禁止していたと踏みます。
それを聞いた現在のハーマイニアも目をぎょろぎょろさせながら犯人はコルデリアではなく、
別の誰かが仕組んだものだと鑑みました。
小さな金髪の少女は実の母であるコルデリアの家へと向かいました。
家にはかつてのコルデリアと赤ん坊だった頃の金髪の少女が載った写真が残されていました。
しかし、これはおかしなことでした。
コルデリアは村を追放されてから一度も村には戻ってきていないはずだからです。
ブライアン・ロスコーと名乗る客人が、以前この村を訪ねて暫く滞在した上、
莫大な富で村中に電気を引いたということがありました。
その人物こそがコルデリアと赤ん坊だった頃の小さな金髪の少女が映った写真を
コルデリアの家の台所の床の下へと置いたのだと金髪の少女は考えます。
元々、その床の下には“何か”が置いてあり、ブライアンがそれを持ち去り、
代わりに写真を置いたのだと彼女は推測したのです。
小さな金髪の少女はコルデリアの墓地へと向かいました。
墓地の土に埋められた十字架の下に、鋭利な石か何か刃物のようなもので
文字が刻まれていました。
『我は咎人に非ず C』
少女はその文字の筆跡からコルデリアであることを確信しました。
その物的証拠には魂が込められた偽りの無いもので、
コルデリアは無実だったことを証明しているものでした。
それを呆然と見つめる小さな金髪の少女はただただ虚しく感じていました。
同時に怒りと寂しさといった感情が交差するように、彼女に潜む知恵の泉が
激しく震動し、彼女の心に優しくも催促するように語りかけ始めました。
―――母を陥れた犯人は・・・まだこの村にいるのではないか?―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
ヴィクトリカが母のコルデリアを想うシーンは良かったですね。
原作ではヴィクトリカが地面を激しく蹴って、怒った感情を露わにしていました。
次回 第8話 『
過去の王国に遠吠えがこだまする』
第7話 『夏至祭に神託はくだされる』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第6話 『灰色の狼は同胞を呼びよせる』【 ヴィクトリカ・ド・ブロワの母親 ?コルデリア・ギャロ? 】※ヴィクトリカと久城視点です※原作をオリジナル風に記しています「私は、コルデリア・ギャロが勝つまで帰らない!」コルデリアは私の母だ。
ソヴュールに根付く灰色狼の伝説の元になったと言われる。
母は羅紗の衣装に異国風の化粧を帯びて舞台に立つ有名な踊り子だった。
その前までは生まれた村でメイドとして働いていたのだが、ある行いにより
村から追放されてしまう。
母はとある村の出身者で、その村の人々は16世紀初頭から山奥に住み、
文明と切り離された生活をしていたとそうだ。
村人たちは金色の髪を纏い、小さな身形ながらも聡明な頭脳を持ち、
しかし摩訶不思議な存在として認識されていた。
村の出身者は村からは出なかった為、街などで捜すことは困難であった。
それにも拘わらず、ブロワ侯爵はその異端なる特別な力を一族の血に
取り入れたいと願い、当時、人気者だったコルデリア・ギャロという
踊り子を見つけ、彼は母を自らのモノとした。
しかし、ブロワ侯爵の思い通りに事は運ばず、
生まれた子供は望んでいた男子ではなく、この私だった。
その後もブロワ侯爵は一族に異端な血を流してしまったことに後悔することになる。
呪わしい血を一族に蔓延させてしまった、とね。
後々私が知ったことだが、母は村で“ある夜に怖ろしい罪”を犯し、村を追放されたのだ。
やがて、罪人扱いにされた母の経歴はブロワ侯爵の耳にも届き、
結果、母はその後、行方を暗ますことになった。
生まれた子供、即ち私も様相が他ならぬ存在だった為、その経歴もあってか憚られ、
屋敷に一部である塔に閉じ込められ育てられた。
書物と“退屈な虚無の時間”と共に、な。
今も依然として同じ環境下には棲んでいるが、変わったことといえば周りに植物園が
加えられたことか。
そして、今は久城という“退屈凌ぎ”の道具を見つけたこと、か。
そうそう、私の大切にしている“金貨のペンダント”だが、
ある夜に母は屋敷の塔の上に上がってきて、これを渡してくれたのだ。
すぐに母だと判った。
私と瓜二つの容姿をしていたのだからね。
母は身軽だった為、塔の上の天窓の外から現れたのだ。
だから、私は今も“独り”ということではない。
ペンダントがある限り、いつも二人なのだ。
ずっとずっと母は遠くから私のことを見守っている・・・。
ホロヴィッツ。
スイスとの国境に近い小さな町。
三行広告にその町の名前が出ていた。
そして、広告には 『“灰色狼の末裔”に告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する』
というメッセージが書かれていた。
ホロヴィッツから奥深い山脈の麓にあるといわれる灰色狼の村。
どうやら、その山奥には灰色狼が棲んでいるのだという。
その村に宣戦布告でもするかのようにヴィクトリカは戦いに身を投じていく・・・。
僕には謎だらけだ。
ヴィクトリカの母親は一体、何の罪を犯したというんだ・・・。
それに対する無罪証明だなんて、何故いまさら・・・。
やっぱり、あのメッセージに惹かれてヴィクトリカは呼び寄せられたのかな。
灰色狼の村に・・・。
―――母の無実を晴らす為、私は灰色狼の村へ来たのだ!―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
ヴィクトリカの謎が少しずつ真に迫って来たという感じですねぇ。
ふう、展開が早過ぎてまとめづらいです。
次回 第7話 『
夏至祭に神託はくだされる』
第6話 『灰色の狼は同胞を呼びよせる』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第5話 『廃倉庫には謎の幽霊がいる』【 春来たる死神 ?大怪盗クィアラン? 】※ヴィクトリカと久城 一弥視点です※補足を含め、原作をオリジナル風に記しています春来たる死神。騎士のミイラ事件。そして、ミリィ・マールの幽霊。
この混沌の欠片たちは一から始まり、最後は綺麗に“二”で終わったようだな。
一は金髪の女性、ミリィ・マールによって最期を遂げ、二は黒髪の男性、久城 一弥によって最後を迎える。
まったく、怪盗という名に相応しくない、実に見事な滑稽劇だよ。
大怪盗クィアラン。
久城出身の母国語を使えば、クィアラン=悔いあらむ?だろうな。
当時、世に知られた一代目大怪盗は一人の健気な女によって、身も心も檻に閉じ込められ、
二代目怪盗は中途半端な無知で鈍間で私の下僕でもある男によって、警察に捕まってしまうのとはね。
無論、私の推理によって導き出したのだがね。
そして、ミリィ・マールの亡霊の正体は本物のアブリル・ブラッドリー。
第二代クィアランによって廃倉庫に閉じ込められていたのだ。
彼女も悲惨だな。留学早々、怪盗に襲われることになるとは。
ふぁ?あ。
また、退屈になってしまったではないか。
金色の妖精は今もこうして無常なる世界で退屈を押し殺して生きているのだ。
ふむ、混沌の欠片を再構成し、言語化するのは面倒だから
端的に話そう。
まずは春来たる死神。
死神とはマクシムのことだ。
次に騎士のミイラ事件。
ミイラはマクシムのことだ。
最後はミリィ・マールの亡霊。
ミリィ・マールは本物のアブリル・ブラッドリーのことだ。
・・・ねぇ、ヴィクトリカ?
全然、答えになっていないし、端的な説明にすらなっていないよ?
いいのだ、久城。
冒頭部分で概要は詰め込んだ。
あとは図書館の役目を果たす小説または他ブログを閲覧するといい。
何て他人任せなヴィクトリカ・・・。
君に言われたくないな。
私がいつも怪事件の謎を解いているというのに、君はそれを聞いているだけ。
君もあのドリル兄のような存在の第二代目になろうというのかね?
うっ・・・すみません。【 ヴィクトリカの素性 ?久城 一弥視点? 】金色の妖精って何だかヴィクトリカみたいだな。
どんな難解な問題にも推理によって導き出してしまう叡智を司るような妖精。
その代償として人間の魂を喰らうとのことだけど、そこはヴィクトリカとは違う。
彼女は退屈から逃れたくて、お菓子や難解な事件の欠片を求めている。
僕には彼女からの見返りは“安らぎ”と言える。
最もブロワ警部には名誉を与えているようなものだ。
僕は彼女の退屈から凌げた時の表情を見たくて、
いつも彼女に付き添っているのかもしれない。
まぁ、下僕扱いされているわけだし当然か・・・。
『図書館のいちばん上には金色の妖精が棲んでいる』
妖精は外の世界には出れない。
人形のように冷たい素振りをいつも見せるヴィクトリカ。
だから、僕がヴィクトリカに息吹を与える為に外の世界へと誘うんだ。
怪談好きな留学生のアブリルも友達になったことだし、
今度ヴィクトリカを彼女にも紹介しよう。
きっと、これが妖精から人間へと脱皮する近道だと思うから。
―――久城、恥ずかしい台詞は禁止だ!―――<おまけ ?ミニ劇場?>久城 「管理人が 『
逆転検事2』 を買ったみたいなんだけど、ヴィクトリカもやってみる?
まぁ、推理物には違いないから退屈凌ぎにはもってこいだと思うよ」
ヴィクトリカ 「何を言っているのかね、君。 検事が逆転してどうするのだ? 君はアホか?」
久城 「ちょっ、僕は製作者じゃないのだから・・・。やらないんだったらいいよ」
ヴィクトリカ 「待て、久城。 知恵の泉が少しならかじってもいいと告げている。
仕方ないからやってあげよう。」
久城 「まったくもう・・・素直じゃないんだから」
ヴィクトリカ 「何を言う! 君から誘ってきたんだろう!? 私はただそれに対して耳を傾けただけだ!」
久城 「はいはい。 判りましたよ。 あ、でも管理人が終わってからじゃないと駄目みたい」
ヴィクトリカ 「早く貸せ、管理人!」
<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
よしよし、アブリルいいですよ?。
という訳で本物のアブリルは格段に可愛さが違いますね。
原作1巻を見た後にアニメ第4話を視聴したので、あれ・・・アブリルって黒子ついてたっけ?
口調がどこか大人っぽい?と不思議がっていましたw
その答えもすぐに見つかり、原作のGOSICKs 第1巻でその謎の解明を拝めました。
今回の第5話そのものなんですが、原作で謳われていた部分が少々省略されていました。
1クールでちょうどいい終わり方を構築する為には、そうせざるを得ないのは解ってますが、
やはり省略されると“原作の良さ”が伝わってきませんね。(他アニメ作品も同じく)
ちなみに原作では第二代目クィアランが本物のヴィクトリカを目で確認するまでは
金色の妖精と見立て、またそれを人形と捉えていました。
ヴィクトリカが居るいつもの場所に前世紀ドイツの天才人形師グラフェンシュタインの作品の
ビスクドールがぽつんと置かれていた。
その人形師は悪魔と取り引きして人形に魂を込めたという。
やばい、ローゼンメイデンを連想してしまった!
さて、次回からは原作2巻のお話です。
次回 第6話 『
灰色の狼は同胞を呼びよせる』
第5話 『廃倉庫には謎の幽霊がいる』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第4話 『金色の糸はつかのまを切り裂く』【 英国からの留学生 ?殺人事件から始まる謎の転入? 】※ヴィクトリカ視点です※補足を含め、原作をオリジナル風に記しています久城の欲情妄想劇から始まったオートバイ首切り事件。
犯人は金髪の女性で私の退屈な推理によってすぐに捕まったそうだが、
罪は認めるも動機を一切話そうとしないのだから腑に落ちない。
その事件に呼応するかのように、英国からの留学生アブリル・ブラッドリーという少女がやって来た。
さて、ここからが面白いのだよ。
学園の用務員が亡くなったことに伴い、葬儀の手伝いをすることになった久城とアブリル。
その手伝いの最中、納骨堂の鉄扉を開くと騎士の姿をした死体が落ちてきた。
その際、無表情のままアブリルは紫色の表紙の薄い本を手に取り、鞄に隠した。
久城の冴えない推理では最初のオートバイ首切り事件の犯人が実はアブリルだという。
私は久城からの土産の雷おこし (久城の姉からの贈り物) を食べながら、
納骨堂から始まった騎士のミイラ事件について推理した。
ふふ、何とも歯応えのある食べ物か。
この事件も少しだが、歯応えがありそうだ。
そう知恵の泉が教えてくれる・・・。
【 騎士のミイラ事件 ?暗闇の中の永遠? 】・騎士の遺体の身元はマクシムという男性
・学園の卒業生だが、春になるとフラリと舞い戻り、暫く滞在しては何処かへ旅立っていくという謎の男
・恐喝、泥棒と悪事の多い男で各地で恨まれていた
・今から8年前の春、学園に数週間滞在していたが、部屋に荷物を残したまま突如として姿を消した
・納骨堂が最後に使われたのは今から8年前でマクシムの失踪事件の時期と重なる
・騎士の遺体には桜草の花束が添えられていた
・桜草の花言葉は“永遠に貴方と共に”
・ミリィ・マールという女性が犯人
・8年前に病死した当学園の女生徒はミリィ・マールという女性
・当時、彼女は病に長く臥していた
・病床の彼女がマクシムを睡眠薬で眠らせ、騎士の衣装に着替えさせた
・8年前に納骨堂の鍵が誰かに盗まれたそうだが、彼女が盗んで納骨堂に入り、
大昔の騎士の遺骸と騎士の衣装に着替えさせたマクシムを入れ替えた
・彼女はその後、地上で亡くなり、やがて葬儀屋によって納骨堂に納められた
・葬儀屋はその時、衣装だけ昔のままの見慣れた光景だった為、中身が生きているなど
到底思わなかった
・その後、マクシムは睡眠薬からの眠りから覚め、暗闇の世界に留まることになった
・埋葬された彼女は彼女の願い通り彼と“永遠”に一緒だった
・動機、経緯は不明だが、おそらく彼女はマクシムに恋心を抱き、
自分の死を間近に感じると死の後の彼との世界を信じるかのように
この事件を構築したのだろう【 アブリル・ブラッドリーの素性 ?久城 一弥視点? 】・彼女の祖父の名はサー・ブラッドリー、イギリス人で有名な冒険家だった
・サー・ブラッドリーの最後は気球と共に大西洋に消え、行方不明となったらしい
・彼女が当学園に来た目的はある“捜し物”をする為【 ヴィクトリカの素性 ?久城 一弥視点? 】・グレヴィール警部が彼女のことを 「“灰色狼”の分際で!」 と罵るように言っていた
>灰色狼って・・・何だ?
・最大の敵は退屈だが、二番目の敵は“喧騒”なのだという
―――灰色狼と呼ばれた私。久城、人には触れられたくないモノだってあるのだよ?―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
アブリルが可愛く感じなかった理由は口紅でしょうか。
口紅が有ると無いとでは雰囲気が異なりますからね。
いやぁ、いきなり怪しい留学生の予感。
殺人事件から始まる時期の転入ですから、怪しすぎます。
それに最初に捕まった犯人の金髪の女性ですが、
アブリルと誤認の可能性も・・・。
一弥が出会ったアブリルはヴィクトリカが推理した通りの特徴を持っていた。
私たちをミスリードに誘い込む罠ですね。
知恵の泉がそう教えてくれます。(ぇ
ちなみに今日は私の誕生日! (皮肉なものだな)
そういえば、OPに出てくるアブリルは左頬に
黒子がありませんね・・・。
次回 第5話 『
廃倉庫には謎の幽霊がいる』
第4話 『金色の糸はつかのまを切り裂く』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第3話 『野兎達は朝陽の下で約束をかわす』【 QueenBerry号事件の全貌 ?サラエボ事件の前兆? 】※ヴィクトリカ視点です※補足を含め、原作をオリジナル風に記しています時は1914年 春。
「一人の青年が、もうすぐ、死ぬ・・・。
それが全ての始まり。世界は石となって転がり始める」
一人の占い師がそう予言した。
近く、世界は混沌となって、悲劇を生む・・・と。
占い師ロクサーヌは世界各国の“運命”を占い、世界の未来予測をしていた。
ロクサーヌは大規模な占いを遂行するにはそれ相応のリスクが必要だと考え、
庭で飼っていた野兎を“餌”にして、“猟犬”を解き放ち、どの野兎が生き残るかを
確かめて占いの結果を出していた。
元々、彼女は趣味かどうかは不明だが、野兎を時々猟犬に噛み殺させ、生き残った野兎を
餌を多く与え太らせて、大事に愛でていたようだ。
それが彼女の占いとしての道具が誕生したきっかけか、もしくは占いを職とする為だったに違いない。
彼女の天文学的リスクを伴う占いの噂を耳にした世界各国の政府関係者は、当時の
世界の空気を不穏だと察知し、彼女の占いに頼ったのだろう。
そして、彼女の助言の元、大きな箱 ≪QueenBerry号≫ は用意され、それを水面 ≪海上≫ に浮かべ、
仕舞いには野兎 ≪国籍の違う人間たち≫ を箱の上で走らせたのだ。
その結果、生き残った国籍はイギリス人、フランス人、アメリカ人、ソヴュール人・・・。
占いを終えたロクサーヌは各国の政府関係者にお告げの通りに動けば各国はますます発展するだろうと伝えた。
その後、彼女は野兎走りを終わらせ、箱 ≪QueenBerry号≫ を沈めさせ、
残った野兎たち ≪イギリス人、フランス人、イタリア人、アメリカ人、ソヴュール人≫ は太らせる (大事に愛でる) ように命じた。
これが10年前のQueenBerry号事件の真相の概要。
今回のQueenBerry号事件は10年前の事件の“復讐”をする為に何者かが今宵のパーティーを催した。
その何者かというのが、彼女…ジュリィ・ガイルなのだ。
まず、彼女の嘘を指摘しよう。
?資産家の令嬢で広い屋敷でのびのび育った
>五歩歩くとターンして戻り、また五歩歩くとターンする癖があった。
これは狭い場所で過ごしていた人の癖だ。
強いて言うならば、刑務所の独房、病院の病室、屋敷の屋根裏部屋といった場所だ。
長いあいだ外に出ないとその癖がついてしまうのだよ。
それは“わたし”も経験していることだからね、解るのだよ。
?ハンドバッグの重さ
>最初、久城の頭に当たった時を覚えているかね。
ゴツンと大きな音がして大層痛がっていたことを。
その理由は既に銃がバッグに入っていて、その重みがあったからだ。
後々、銃を使い、それを捨てた後、彼女はうっかりバッグを落としてしまう。
私が拾い、その重みを確かめた。すると、バッグは羽根のように軽くなっていたのだ。
?QueenBerry号のラウンジの扉に鍵がかかっていたこと
>彼女の演技で鍵は元々かかっていない。
次のイベントを意図的に起こさせて、一同を誘導した。
彼女が起点となって物語は進んでいったのだ。
?QueenBerry号のレプリカ製作
>大事に愛でられた彼女の懐には巨万の富に満ち溢れていた。
そのお金で当時のQueenBerry号の船体費用に充てたのだ。
レプリカであろうが、見た目は当時と同じQueenBerry号そのもの。
目を見張る程の作りだった。
次にジュリィ・ガイルの素性だ。
警察署の一部屋でグレヴィール警部が取り調べをしている時に
彼女からの口で語られた。
孤児として育ったジュリィは10年前、春の夜に町の路上で鉄格子のはめられた馬車に乗せられ、
QueenBerry号で目を覚ます。
QueenBerry号には国籍が異なる計11人の少年少女で構成されていた
次々と起こる奇怪な殺人事件。発端はイギリス人のネッド・バクスターが
突然死 (脈はなかった) を遂げたこと。そこからが悪夢の始まり。
死んだはずのネッドが生き返り、彼は無差別に次々と銃で少年少女を殺戮していった。
そんな中で彼はジュリィたちに自らの動機を打ち明ける。
今宵の搭乗者は野兎で、自分は猟犬。適当に噛み殺すように政府関係者から命じられいる、と。
そして、ここで起きたことは“未来”そのものである、と。
ジュリィは勇敢な少年ヤンの犠牲の元、ネッドからの襲撃から回避した。
途中、アラブ人のリィという少女が負傷しているのを見かけ、小さな友情を分かち合う。
彼女はリィからハートのペンダントを譲り受け、リィを護りながら無線室へと辿っていく。
やがて、彼らは無線室へと辿り着くと、そこには各国の政府関係者たちと、猟犬のネッドが
潜んでいた。
政府関係者たちは生き残った彼らを拍手で祝福し、国籍を問うた。
フランス、イタリア、アメリカ、ソヴュール、そしてイギリス。
これらの国籍が生き残った。
無線室の奥に潜んでいたロクサーヌは彼らにかくして伝える。
「一人の青年が、もうすぐ、死ぬ・・・。
それが全ての始まり。世界は石となって転がり始める」 (占い時は1914年の春)
そう、これを暗示していたのが第一次世界大戦の引き金となった“サラエボ事件”であったのだ。
歴史の真実として、戦争の結果は連合国側の勝利となっていた。
見事に占いは当たり、政府関係者は予測された未来を手に政治をしていった。
※一人の青年…オーストリア皇太子(暗殺される)
※石となって転がり始める…国と国どうしが自国を守る為、ぶつかり合う
※連合国…イギリス、フランス、イタリア、ロシア、日本等
※同盟国…ドイツ、オーストリア、ブルガリア等
しかし、政府関係者たちとネッドの誤算だったのは1924年のQueenBerry号での催しへ
偽りの招待状で招かれてしまったことと、10年前の生き残りにアラブ人のリィがいたこと。
彼らは再び起こった野兎走りに自ずと怯え、疑心暗鬼となって自ら仕組んだ罠に嵌って死んでいったのだから。
ロクサーヌも同じである。
リィはロクサーヌ邸のメイドとして過ごし、ロクサーヌを殺す機会を窺っていた。
それが、あの鍵穴銃殺事件であった。
アラビア語でロクサーヌを騙し、鍵穴へと近づけさせ、銃殺をした。
ちなみにネッド・バクスターが偽りの招待状を手に船に乗り込んだ理由は、やはり国からの命令が
まだ続いていると疑い、乗り込まなければ消されると思ったからであろう。
そんな中、10年前の悲劇の舞台が繰り広げられるのを目の当たりにした彼は10年前と同じように
猟犬となり、自分が殺されないように自衛をした。
これが、彼の心中だったに違いない。
QueenBerry号の事件再来の悪夢はリィから始まり、ジュリィで終わったのだった。
人を殺すというあるまじき行為をした彼女たちだったが、その復讐劇はどこか美しさに長けていた。
彼女たちの一握の友情が、そうさせたのかもしれない。【 ヴィクトリカの素性 ?一弥視点? 】・グレヴィール・ド・ブロワ警部とは血の繋がった兄妹だが、腹違いの兄妹
・グレヴィールはブロワ家の嫡男でブロワ侯爵であり、父親の正統な後継ぎである
・グレヴィールの母親は貴族の血が流れる正式な妻である
・ヴィクトリカの母親は妾で当時は危険人物であり、職業は踊り子、狂人でもあった
(第一次世界大戦では物騒なことをしたらしい)
・ヴィクトリカの母親の影響でヴィクトリカ自身も特別な子供として認知され、ブロワ家の屋敷の
奥深くに隔離されて育った
・聖マルグリッド学園に入学してからは、図書館塔の最上階にある緑に囲まれた庭のような場所で
時を過ごし、外出は禁じられていた
・今回、外出できたのはグレヴィール警部との同行が条件で許可が下りたから
途中、本人がその条件を忘れて家に帰ってしまい、僕と一緒に行動することに至った
―――この私、囚われの姫を助け給へ。私には君が必要なのだよ、久城。退屈凌ぎの“友達”としてね。―――
―――ヴィクトリカ…。いつかまた、今回の朝陽が海面を照らしていたような美しい景色を求めて、外に出かけよう!―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
うん、やっぱり面白い!
原作もようやく1巻読破。
しかし、原作を読んでしまうとアニメでは展開が早く感じてしまいます。
次回からはまた新キャラ!
波乱必至ですね。
次回 第4話 『
金色の糸はつかのまを切り裂く』
第3話 『野兎達は朝陽の下で約束をかわす』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第2話 『死者の魂が難破船をおしあげる』【 退屈凌ぎのティータイム ?推理の時間? 】ヴィクトリカと久城 一弥は、突然の束の間の出会いと共に、
占い師ロクサーヌ宛ての招待状を手にQueenBerry号へと乗り込んだ。
そこで待ち構えていたのは、船上パーティー 『箱庭の夕べ』 という豪華な食事の披露であった。
招待状は一人分だった為、ヴィクトリカだけが一人分の食事へとありつき、表情はいつもの
人形のように冷めた仕草をするだけだったが、優雅に食事を楽しんでいた。
そんな風に人形のような彼女を見つめていた一弥は、自分もお腹が減っていることもあり、
彼女に 「君、お菓子か何か持ってきてない?」 と訊ねる。
彼女は“君”という見下した言葉と“お菓子”という子供じみた言葉に反応し、
ムッとした表情でテーブルを手で叩き、非常食セットを持ってくる予定だったが、
一弥の屁理屈のせいで学院に置かれたままとなり、今こうして食べられないのは自業自得だと冷たく言い放った。
一弥は屁理屈ではないと言い、逆にヴィクトリカが屁理屈だと非難するが、
再度“君”という言葉を受けた彼女は再び怒った表情で一個のパンを彼の口に咥えさせた。
一弥は納得いかぬ思いだったが、パンの美味しさにその想いはかき消されるのだった。
【 ヴィクトリカの推理 】※ヴィクトリカ視点です≪結論≫:幽霊など存在しない。全て人的謀略であり、仕組んだ犯人が必ずいる
?睡眠薬を一服盛られた一同はパーティーの場所とは異なる別の場所のラウンジへと移される
パーティーに参加していた人数は全員で11人 (ヴィクトリカと一弥も含む) だったが、ラウンジでの人数は12人だった
【推理】
一人増えている人間が一同をラウンジへと移したのだろう。
?久城 一弥がラウンジに飾られていたQueenBerry号に触れようとした瞬間、『それに触るなッ!』 という中年男性の声
と共に金属製のダーツが一弥を襲った
【推理】
中年男性の声はソヴュールの外務省に勤めているモーリスという乗客の声で、
彼はQueenBerry号の仕掛けを知っていた。
モーリスによると現在、搭乗しているQueenBerry号は10年前の1914年に地中海に沈んだものだという。
かつて、野兎と呼ばれる国籍が異なる子供たちが乗せられ、一夜を過ごした。
モーリスはQueenBerry号の調査を上司より命じられ、調査をしたところ、子供たちは最後に殺し合い、死んでいたという。
それには何かの思惑があるとのことだが、やがて船は浸水し、沈没したとのこと。
今回、搭乗した大人たちは10年前の事件で子供たちを死に追いやった者たちで、その報復だと述べるモーリス。
…全ての鍵を開けるには10年前の話に遡らなければならないようだな。
?突然、ラウンジで停電が起きるもすぐに復旧した。
だがその後、真新しい血のようなインクで綴られた文字がラウンジに飾られている絵画に綴られていた。
文字を読み解くと 『あれから十年。早いものだ。今度は貴様たちの番だ。箱は用意された。さぁ、野兎よ走れ!』 と記されていた。
【推理】
壁紙でいつでも曝け出せるように仕組んだものだ。
停電時に犯人が壁紙を剥がしたのだろう。
?QueenBerry号の亡霊に恐れをなした中年男性が鍵がかかっていた扉で逃げようとしたが、
扉は開き、その瞬間、金属製のダーツがその男性の額に刺さった。
なお、中年男性が扉を開ける前に乗客の一人である20代くらいの女性が 『その扉には鍵がかかっている』 と言い放っていた。
【推理】
扉が開いているということは言うまでもない。
一人増えた人間が停電時に鍵を開けたのだろう。
?一同はラウンジから脱出し、船の甲板に出て救命ボートで5人の中年男性がこの船から逃げ出そうとするが、
彼らは荒波に飲まれて命を落とした。
その後、一同はラウンジに戻ろうとするが、そこは先ほどのラウンジとは異なる荒れ果てたラウンジだった。
そして、最初の犠牲者の中年男性の死体が消えていた。
【推理】
荒れ果てた光景を映し出すべく、ペンキで内装が偽装されており、第一次世界大戦で焼け落ちたと
言われるソヴュール産の醸造ワインが船に残っていた。
脱出したラウンジの扉は開きっぱなしとなっていた為、戻ってきた一同は開いた扉へと向かうのは当然のこと。
しかし、そこは荒れ果てたもう一つのラウンジだった。
あたかもかつてのQueenBerry号だと、そして先ほどのラウンジだと思わせ、一同を誘導させた罠であろう。
?無線室へと向かう中、モーリスはもう助からないと諦め、一人暴走する。
船には武器庫があり、首謀者はその武器を使って野兎たち(搭乗者たち)を殺し合う為に
仕向けているという。
モーリスは野兎にならない為にヴィクトリカたちに銃を向けて、全員殺そうと仕掛けた。
【推理?】
愚かな人間なり、モーリス。
もう既に末路は視えている、そう知恵の泉は教えてくれるだろう。
しかし、銃を向けられた私を真っ先に庇った久城・・・。
君は何故、そんなにも親しくない私を護ろうとするのか。
私にはそれだけが視えない。
知恵の泉も何も教えてくれない。
君は一体、私の何だと言うのだ?【 ヴィクトリカの心情 ?一弥視点? 】・何人もの死んだ人を見ても驚かずに冷めた表情のまま状況を理解している
・初めて会った時の植物園での彼女は人形のようで、どこか人間のようではなかった
・ソヴュールの外務省に勤めているモーリスと名乗る者がヴィクトリカと以前に会ったことが
あるらしい
・無線室へと向かう途中、暗闇の浸水した通路を通る際、彼女を背負っていたが、
そんな彼女の手は震えていた。恐怖を身体で感じ取っていたことが判る。
・帝国軍人の三男としてヴィクトリカという“独りの少女”を守り抜くことを決意した
―――ヴィクトリカ : 久城、私が頼んでもいないことを行うとはどういうことなのかね?―――<感想>※原作(小説)を少しずつ読み進め中です。
いよいよ突発的な事件と冷静な推理が始まりました。
ヴィクトリカは人間なのかどうか疑わしくなってきました。
モーリスと出会っているということは、何年か前のことなのか?
ただ、最近出会っている可能性がある為、断定はできませんね。
そうそう、今回搭乗している20代くらいの女性は10年前の搭乗者かもしれませんね。
さぁて、物語は面白くなってきました。
次回 第3話 『
野兎達は朝陽の下で約束をかわす』
第2話 『死者の魂が難破船をおしあげる』 (動画)
アニメ GOSICK ?ゴシック? 第1話 『黒い死神は金色の妖精を見つける』【 退屈凌ぎと混沌の死神 ?奇妙な美術様式? 】金色の妖精と春来たる死神。
前者は退屈しない生活を、後者は平穏な生活を求めている。
その者たちの呼称と外見は少なからず一致しても、中身は伴わなかった。
双方は運命かは知らぬが、偶然にも出会い、共に行動を取ることになる。
金色の妖精・ヴィクトリカと名乗る少女と春来たる死神・久城 一弥の二人。
お互いに素性を一切知らぬまま、自然と惹かれ合い、怪事件の解決に向けて船出により旅立つ。
ヴィクトリカには知恵の泉と呼ばれる能力が潜在している。
世の中の混沌から受け取った欠片たちを知恵の泉を使えば、
真実へと構成されるのだという。
混沌とは即ち事件に関わる全ての情報源。
ヴィクトリカは事件の謎を暴くことにより、退屈という渇いた混沌を潤す水で流している。
つまり、事件を解決へと導く過程を楽しみ、退屈を凌いでいるのである。
その退屈凌ぎとなる人物がやっと来たと彼女は言う。
それが、東洋から留学生として渡来した久城 一弥である。
ヴィクトリカが感じ取った彼の持つ素質は、
彼女の中にある知恵の泉の渇きを満たしてくれるのか。
美しき少女には写実的を、清き少年には美術的を。
物語を描く為の素材を手に、事実をありのままに描写していく。
―――GOSICK ?ゴシック? それは美しさを求めた物語―――<感想>私の期待していたアニメが始まりました!
実はまだ原作(小説・漫画の両方)は読んでいないのですが、記事に自分なりに考えたことを羅列しました。
恐怖・怪奇を主題としながらも特異なキャラたちが活躍する物語は好きです。
作風もゴシック式の美術様式のような描き方で面白いですね。
序盤は軽め。
これからの展開に注目いたします。
そういえば、主人公である久城 一弥の久城は 『久しい城』 と書く訳で
どこかゴシック様式を漂わせている感がしますw
あと、ヴィクトリカは 『うみねこのなく頃に』 のベルンカステルみたいで好印象!(退屈凌ぎ関連で)
次回 第2話 『
死者の魂が難破船をおしあげる』
第1話 『黒い死神は金色の妖精を見つける』 (動画)