アニメ AngelBeats! 第α話 (TV未放送・特別篇) 『Stairway to Heaven』 ※
遊佐ゆさ 視点の記事です
【この瞬間を楽しもう】 楽しまないというのはよくないことだ。 辛いことからいったん目を背けてでも、今をちゃんと楽しむべきだ。 例えば、家庭の中に楽しまない人がたった一人いるだけで、 誰かが鬱々としているだけで、家庭はどんよりと暗く不快な場所になってしまう。 もちろん、グループや組織においても同じようになるものだ。 できるだけ幸福に生きよう。その為にも、とりあえず今は楽しもう。 素直に笑い、この瞬間を全身で楽しんでおこう。 (『悦ばしき知識』 ニーチェ)
【天国への階段(通路)】 それはとあるオペレーション会議での出来事。 ゆりっぺさんが突如として言い放った悪魔の一言から 『死んだ世界戦線(SSS)』 の 歴史上で唯一無慈悲なオペレーションが始まりました。 名付けて 『オペレーション ハイテンションシンドローム』 だそうです。 日本語訳をすると、激しい緊張状態症候群。 ネーミングは実に狂妄らしいもので、オペレーション内容はこれから述べていきますが、 それは凄惨たるものだったのです。 今回のミッションの参加者はゆりっぺさん以外のSSSのメンバーたち全員。 何故かオペレーターの私も含まれているのは意外だったでしょうか…。 まぁ、私にもたまには活躍させてもらう舞台が無いと存在感がなくなっちゃいますから 良しといたしましょう。 さて、オペレーションの内容ですが、本当は中身が無いといっても過言ではありません。 理由は簡単です。 一言で言えてしまうから。 『午前9時から午後9時までの12時間もの間、ハイテンションを維持し続けること』 概要はこんな感じですが、真の目的は天使に対するカムフラージュ作戦です。 天使に我々SSSのメンバーがあたかも学園生活を満喫しているかのように見せて神への道を開くこと。 もちろん、ハイテンションを演技で装う訳ですから、死んだ世界から我々は消えたりしません。 ハイテンションで過ごすこと=学園生活の満喫、学園生活の満喫=成仏しないSSSのメンバーたち、 成仏しないSSSのメンバーたち=異常な事態、異常な事態=天使の戸惑い、 天使の戸惑い=天使から神への報告、天使から神への報告=SSSが神へと導かれる・・・ という流れとを狙っているわけです。 私は冷静に判断した結果、これは無謀で意味の無い作戦になるんではないかと考えました。 けど、オペレーションを考案して、これから実行に移そうとしているゆりっぺさんには 何を言っても聞いてくれないでしょう。 だから、私はあくまで冷静に傍観者として装うようにいたしました。 ・・・これは、ゆりっぺさんには内緒です。 そういえば、このオペレーションの真骨頂がありました。 私としてはゆりっぺさんの真骨頂とでもいうべきでしょうか。 『オペレーション ハイテンションシンドローム』 が失敗した場合、 SSSのメンバー全員、『一週間断食』 という罰ゲームが待ち受けていたのですから。 貴方は悪魔です、私がエクソシスト (悪魔払い) となって倒したいところです。 ・・・が、私は単なる戦況を見届けるオペレーターであって、そんな力はありません。 さぁ、地獄の物語がこれから幕を開けます。 皆さん、どうぞ・・・このゲームをお楽しみください。 〔オペレーション ハイテンションシンドローム ?SSSメンバーの軌跡?〕 ■藤巻さん&TKさん&大山さん ・食堂の大好物をたらふく平らげ満足満腹のご様子 → いっそ、お菓子の国に行ってみてはいかがでしょう? TKさんだけ満足とまではいかなかったようです。 途中でTKさんは腹痛を訴え、トイレに駆け出し、やがてトイレから出てくると やつれて青ざめた表情をしていて非常に苦しいことを物語っていました 魔法のお菓子の国の犠牲者となったようです。 ■GIRLS DEAD MONSTER (ガルデモ) の皆さん ・バンドで無理矢理盛り上げ大賛歌で満足気分のご様子 → ヴォーカルのユイさんを筆頭に盛り上がりますが、ひさ子さんだけは 乗り気にならず。 しかし、一週間断食という悪魔の言葉には流石のひさ子さんも 勝てず、断固阻止しようと本来のひさ子さんではあり得ないハイテンションを 目の当たりにして私としては大満足でした。 ■音無さん&日向さん&野田さん&高松さん&松下さん ・規則正しい学園生活で今まで拒んでいた授業をきちんと受け、 掃除を進んで行い、放課後にはキャッチボールを予定とした清純な生活を 送って大満足ハイテンションのご様子 → 結局、最初からキャッチボールを予定するも天使に見つかり規則正しく 授業を受け、掃除もすることになったんですよね。 仕舞いにはキャッチボールはガルデモメンバーとのやり取りで中止に至る訳ですが…。 ■終焉 ・運動会 → 日向さん率いる野球軍団とユイさん率いるガルデモメンバーとの校庭の敷地争い を誰も鎮めることができなかったのですが、音無さんの鶴の一声で鎮まりました。 はしゃぐ=学校の行事の運動会と結びつけた音無さんの発想は見事でした。 皆は賛同し、運動会を催すことになったのです。 ちなみに大騒ぎになった関係でNPCも何人か集まり、参加することになりました。 リレー競走、棒倒し、玉入れ、組体操、パン食い競争、応援合戦 (ひさ子さんが笑っている…) と順調に競技が繰り広げられました。 さて、ここまでの戦況を一度、ゆりっぺさんに報告いたしましょう。 「こちら物凄い盛り上がりを見せています。 天使の方はどうでしょう? 呼んでみましょう。 ゆりっぺさ???ん?」 「はい♪ こちら中継のゆりっぺで???す♪・・・・・・って何やらせんのよッ!!! ・・・貴方もそれなりにハイテンションな訳ね・・・」 私はノリノリですよ、ゆりっぺさん。 本当に悪魔のような方ですが、面白い方ですね?。 私のハイテンションに乗ってくれるなんて早々いませんよ? ところで、天使の状況はゆりっぺさんによると生徒会室でどうやら議論を交わしている様子だそうです。 もう少しで終わるということですが、どうなることでしょうか。 そうそう、椎名さんはというと、オペレーションが始まった時から独りで体育倉庫にて 猫のぬいぐるみを目にも止まらぬ速さで裁縫をしていました。 そんな時、NPCの男子生徒が体育倉庫からライン引きの器具を持ち出した際、椎名さん特製の 猫のぬいぐるみ一個が絡まり、そのままライン引きごと持って行ってしまいました。 椎名さんはその際、気づかなかったようです。 空はすっかり夕焼け色から闇色へと染まり、夜空へと転変していました。 運動会はいよいよ最終競技へと突入しました。 最終競技はハチマキを奪い合う騎馬戦。 男も女も差別無しの戦国合戦の模様です。 先ほどの椎名さんの猫のぬいぐるみは藤巻さんが誰よりも多くハチマキを多く取り、 かつ大将である威厳を象徴する為にハチマキで止め、額につけていました。 互いに睨み合い静寂の瞬間が流れたその直後、戦闘の火蓋が切られました。 闘争心剥き出しのSSSメンバーはもはや獣と化していました。 そんな中、一人ゆりっぺさんは校舎の教室の窓から高みの見物をしていました。 「んっふふ♪ 今まさに隣の生徒会室でこの光景を前に、彼女は疑問を抱いているはず。 あれだけ溌剌とした彼らを見て、何故消えないのかと。完璧だわ・・・完璧すぎる・・・ オペレーション ハイテンションシンドローム! ふっ・・・ふふっ・・・んっふふ・・・ア?ハッハッハッハッハッハッハ・・・」 すかさず私は悪魔に制裁の雷を放ちました。 「お前が悪役かッ!」 「・・・ハイテンションな突っ込みをありがとう・・・」 その時でした。 ゆりっぺさんも気づいたようですが、人技ならぬ猛追のスピードで駆け巡る椎名さんが 藤巻さん目がけ忍者刀を手に突撃しました。 もはや神業としか言いようの無い椎名さんの行動に誰も追いつけるものはいませんでした。 藤巻さんのハチマキは忍者刀で切られ、猫のぬいぐるみは椎名さんが奪いました。 どうやら猫のぬいぐるみの在庫確認で一個足りないことに気づいたからの行動でしょう。 周辺で争っていた兵たちはその襲撃に巻き込まれ、全員倒れてしまいました。 ゆりっぺさんは台無しだと嘆いていましたが、どうやら事態は思わぬ方向へと向かい始めました。 議論もまだ終わっていないにも拘わらず、生徒会室から出てきた天使が校庭へと歩み、 猫のぬいぐるみを持った椎名さんと向かい合ったのです。 天使が椎名さんに告げます。 「貴方たち、何てことをしてくれたの?」 「これを見ろ」 「・・・それは?」 「キュ???????????????????トォッ!!!!!!!!!!」 「アホだ・・・」 とゆりっぺさん。 「・・・戦意は無し・・・か。 ・・・何と報告したものか・・・」 椎名さんのキュート発言で事態は一度収拾し、一同は天使に勘繰られずに済んだのでした。 しかし、ここはゆりっぺさんもアホと言いますか・・・ゆりっぺさんは報告という言葉に 反応してしまったのです。 そう、報告すなわち神への報告と誤解してしまったのです。 単なる生徒会への報告だと私は思ったのですが、此度のオペレーションの起案者は早々 そこまでの考えまでには至らなかったようです。 ゆりっぺさんはのたれ死んでいるSSSメンバーを叩き起こし、一同で天使の後を追いました。 天使は今は閉鎖中の医局へと入り、ゆりっぺさんたちも知らない地下道へと進んでいきました。 地下道の奥には学校の施設とは思えない西洋の城のような扉があり、天使は何やらパスワードを 打ち込み、扉を開けたようでした。 天使はそのまま扉の先へと入るのをきっかけに、門がだんだんと閉じられていくその扉へ ゆりっぺさんたちは足早に向かい、突入に成功しました。 すると、中は・・・神の領域が展開されて・・・。 そんな展開はありませんでした。 何とそこには天使が大切に食物を育てている温室があったのです。 園芸部という看板が立てられていて、どうやら天使が廃部になった園芸部の栽培を 引き継いで株を育てていた模様です。 水耕栽培という方法で育てられており、食物は天使が望むようなキュートなものへと 成長していました。 天使がここへ来た目的は意外なものでした。 大切に育てていた株の様子が気になって生徒会室から抜け出した、とのことです。 それで天使は生徒会にどういったキュートな言葉でごまかしたらいいか 悩んでいたそうです。 扉のパスワードの謎は単純でテンキーボタンのパネルではなく、ただの計算機が 置かれており、天使は園芸部の予算を試算する為にいじっていたとのこと。 さぁ、ゆりっぺさん・・・最後の悪魔化ですね。 「・・・今より死んだ世界戦線は・・・・・・一週間断食ィィィィィィィィィ?????!!!!!」 私もですよね・・・はぁ。 ゆりっぺさんは除外なんですよね・・・デビルゆりっぺめ。 一週間後、SSSメンバーは飢えに苦しみながら生き長らえていました。 しかし、ピークもピーク。 ガルデモメンバーも壊れた人形のように全滅し、残すところは・・・ゆりっぺさん一人のみ。 「ぷはぁ??♪ 別に死にはしないわよ♪」 のうのうと水を飲み干すゆりっぺさんのみ、残っています。 「やはり悪役はゆりっぺさんが一番お似合いですよ・・・」 最期にゆりっぺさんに今の一言を報告し終え、廊下に横たわっていた私もまた 人形が壊れたかのように生気を無くし、息を引き取りました。 まぁ、死んだ世界なので死んでも蘇りますが…。 これは、ゆりっぺさんが仕組んだ悪魔のオペレーションだったのです。―――Devil beats.悪魔は喜びながらドキドキする――― BAD END 【感想 】 第13話のCパート部分 に引き続き、TV未放送話の記事も完成しました!
気合い入れて書きましたぜ!
さて、まさかのBAD ENDなギャグ回をありがとう。
久しぶりに楽しませていただきました。
シリアス無しというのもたまには良いですね。
時系列としては岩沢が消えた直後くらいでしょうか。
ニーチェの言葉通り、SSSメンバーは全員楽しんでいる模様です。
岩沢が現実世界に逝ってしまったことがきっかけでどんよりとなる
空気ですが、今回のお話は喜びを象徴するかのように表現されておりました。
それにしても今回は遊佐が大活躍でしたね、ある意味!
彼女の突っ込みがこのお話を盛り上げていたかもしれません。
さて、第二期はいつになるやら。(冗談)
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アニメ AngelBeats! 第13話(最終話 ANOTHER EPILOGUE Cパート) 『Graduation』 ※
音無おとなし 視点の記事です
※意味深の内容につき、音無の想いはオリジナル構成となっています
※最終話の記事は
コチラ 【自分の行為は世界に響いている】 自分のどんな行為も、他の行為や考え、決断などの誘因になっている、 もしくは、大きな影響を与えている。その行為が全く何にも影響を及ぼしていないことはない。 自分の行為によっていったん起きた事柄は、いつも何らかの仕方で次に起きる事柄と しっかりと結びついているのだ。遠い過去の昔の人々の行為でさえ、現在の事柄と 強く弱く関連している。 全ての行為や運動は不死なのだ。そして、どんな人間のどんな小さな行為も不死だと言えるのだ。 つまり、実は私たちは、永遠に生き続けているのだ。 (『人間的な、あまりに人間的な』 ニーチェ)
【もう一つの卒業式】 立華たちばな 奏かなで とお別れになったあの日から数日後、俺は死んだ世界に残り続け、 奏の後継者というような生き心地で、現生徒会長を務めていた。 俺は奏に嘘をついてしまったんだ。 悔いは無いと、この世界に未練は無いとそう誓ったはずだったが、 どうやら俺は彼女のことを諦めきれずにいた。 だから、彼女の後を追いかけられずにこの地に留まってしまった。 そんなある日、俺と同い年くらいの青年がこの死んだ世界へと誘われた。 そいつは授業中に試験を受けていた時に死んだ世界のことを感知し、この世界は出鱈目だと主張し始めた。「僕は何も成し遂げられず、死んだんだ! 解ってんだよ、そんなこと! こんなことして何になるんだよぉ!? テストの点が良かったら、天国にでも連れて行ってくれんのかよ? ・・・なぁ、誰か答えろよ・・・答えてくれよォッ!!!」 その他、教室内の生徒一同NPCに言い聞かせるようにそいつは言い放った。 一同は人形のように何も答えず、沈黙の時間が流れた。 俺はそいつの元へと歩み寄り、今すべきことを悟るように叱咤した。 今までの経験を踏まえての、人生が物語る想いを連ねて・・・。「なら、愚痴ってないでさっさとやれよ。 やりたいことがあるなら、そいつを果たす為には…さぁ、何が必要だ? 今、何が必要だ!? 答えてみろッ!!!!!」 ある奴には過去に立ち向かう勇気が、ある奴には夢を叶える努力が、ある奴には長い時間と仲間が必要だった。 岩沢、ユイ、ゆり・・・。 お前は一体、どれに当てはまるのかとそいつの胸倉を掴みながら答えるように催促をした。 すると、そいつはこう述懐した。「今はあなたに立ち向かう勇気だッ!!!」 そいつの言葉を聞いて俺は安堵した。 彼はもう既に死んだ世界でどう過ごせばいいか、解っていたんだ。 自らの意思を持って学校生活を歩むこと、それが一番の卒業への近道。 今すべき想いは彼の意思と連動し、意思を持った行動をしていけば、 意思は意志へと変わっていき、最後は己自身の“人生 ”を成し遂げることに繋がる。 俺は彼に理不尽な生活を感じたり、迷ったりしたら生徒会室に来るように告げた。 いつでも生徒会室で待っている、と。 彼は納得がいかなかったかのように答案用紙を握り潰し、今まで現実で 過ごした理不尽な生活を悔いていた。 まるで死んだ世界に対し、宣戦布告をするかのように。 いつかの俺たちの・・・SSSのメンバーのように・・・。 俺は生徒会室へと戻り、いつもと同じ時間を過ごしていた。 机は縦に長く横が短くと縦6席、横3席の円卓を囲むよくある生徒会室の机だ。 出入り口のドア付近の横3席の机中央部分の椅子に座っていた。 隣の机にはお供えをするかのように彼女が大切に育てていた向日葵の花を摘んだ花瓶を置いていた。 彼女のことを忘れないように、いつまでも傍にいてくれるように・・・。 向日葵の花は暗い生徒会室の中を燦燦たる陽光で照らしてくれていた。 この生徒会室での時間はとても退屈な時間だったが、俺は不動で待ち続ける。 彼女にまた逢えるまで、俺の人生が成し遂げられるまで・・・。 奏・・・、ずっと君を待ち続けることにしたよ。 どんなに愚かなことだろうと承知しているが、これが今の俺にとっての やり残した人生そのものだ。 このまま死んだ世界に残り続けるってのも・・・あり・・・なのかな? はは、それは流石に無理だよな・・・奏が戻ってきたら、それで俺の人生は・・・。 とにかく、俺は奏に逢いたい! あの卒業式の続きの“人生 ”を歩みたい! そうできるならきっと、奏の音がまた聴けるから・・・。 理不尽な音の無かった人生の続きが聴けるから・・・。―――Angel beats.天使は鼓動する――― ―――音楽が鳴り響く、その時に――― Fin 【感想 】 Angel Beats!のブルーレイ第7巻を購入しました!
実はこのお話とTV未放送話の為に買ったも同然なのです。
内容ですが、多分このお話は音無が死んだ世界に居続けていた場合の物語なのでしょう。
現に奏を待つかのような音無の行動と、生徒会室の向日葵の花瓶がそう推測する決め手です。
これはこれで何だか意味深です。
この話の音無はAngel Playerのプログラマーのような存在に当てはまると思いますが、
違う点は意志を持って行動していること。
現実世界に逝ってしまった奏を待ち続ける行為は、実はとんでもない無謀なこと。
しかし、ドイツの哲学者ニーチェの言葉通り、音無の行為もまた不死であり、
永遠に生き続けていることになりますね。(死んだ世界で)
『NEXT STAGE』 とアイキャッチがあったのでこの続きが気になるところです。
第二期ですね・・・。(冗談)
さて、もう一つTV未放送・特別篇の 『Stairway to Heaven』 の記事も作成中です。
年末までに仕上げられればいいなぁ?と思いつつ、アップしたいと思います。
このお話はギャグ一点張りで、遊佐が意外にも活躍で面白かったです。
『
AngelBeats! 』 のオリジナルサウンドトラックを購入いたしました。
自分のお気に入りの曲は
黄色の文字 で表示されているトラックになります。
以下、CDに収められているトラックです。
ちなみに私が一番大好きな曲は 『
一番の宝物 (Original Version) 』 ・ 『
my most precious treasure 』 ・
『
otonashi 』 ・ 『
angel's flight 』 です。
どうでもいいですが、次回予告で流れていたBGMタイトルは 『
let's operation 』 でした。
ニコニコ動画で一部のトラックが取り上げられておりました。 →
☆
[DISK1]01 My Soul,Your Beats! 02 theme of SSS 03 school days 04 girl's hop 05 art of war 06 today is ok 07 memory08 my most precious treasure 09 tactics 10 enemy country 11 operation start12 decisive battle 13 attack!! 14 critical point 15 study time 16 niku udon 17 invection 18 toy of spring 19 deochi!20 light drop 21 worthy rival 22 burial 23 play ball 24 walkure25 let's operation 26 evening breeze 27 moment of rest [DISK2] 01 initial impulse02 my heart 03 soul friends04 kanade 05 my most precious treasure -orgel- 06 memory -orgel- 07 unjust life 08 nocturne in the afternoon 09 anxiety 10 abyss 11 alter ego 12 siren 13 transforms to the shadow14 otonashi 15 angel's flight 16 firing preparation 17 desperation 18 breakthrough19 一番の宝物(Original Version) 20 Brave Song
アニメ AngelBeats! 第13話(最終話) 『Graduation』 ※立華たちばな 奏かなで 視点の内容に沿ったオリジナル記事です 【良いことへの道】 全ての良い事柄は、遠回りの道を通って、目的へと近づいていく。 (『ツァラトゥストラはかく語りき』 ニーチェ)
【愛は赦す】 愛は赦す。 愛は、欲情することをも赦す。 (『ツァラトゥストラはかく語りき』 ニーチェ)
【一緒に生きていくこと】 一緒に黙っていることは素敵だ。 もっと素敵なのは、一緒に笑っていることだ。 二人以上で、一緒にいて、同じ体験をし、共に感動し、泣き笑いしながら 同じ時間を共に生きていくのは、とても素晴らしいことだ。 (『人間的な、あまりに人間的な』 ニーチェ)
【卒業式】 私はある人から“心臓 ”を譲り受けてもらいました。 その人にどうしても感謝の気持ちを伝えたくて、この世界にやってきました。 ・・・いいえ、私の想いが神様に伝わって、この世界に辿り着けたのだろうと思います。 この世界とは死んだ世界と呼ばれる場所でした。 これで私の想いは果たされる・・・そう思っていた矢先、ある問題に気づきました。「私の心臓の持ち主は誰なの?」 顔が判らなければ会うことも出来ないし、伝えることもできない。 まさに、現在の私にとって致命傷というべき心残りでした。
こうして、途方に暮れたまま死んだ世界で現実と同じように私は暮らしていきました。 やがて、人が増えては減っていく・・・その哀しみの連鎖が繰り返されていきました。 私が人と仲良くなれば、その人は自然と消えていく・・・そんな哀しいことは現実では 到底起こるはずはありません。「どうして、私だけ孤独になっちゃうの・・・?」 まるで、この世界では私と関わった人は消えてしまうというようなプログラムが働いているとさえ 感じたくらいです。 でも、その代わりといってはあまりにも不遇なことだとは思いますが、SSSと呼ばれる奇妙な集団と 闘う羽目になってしまったのです。 SSSとは頭文字をそれぞれ取ったもので略さずに言うと 『死んだ世界戦線』 です。 何故かこの世界では現実では体験できない、ゲーム感覚で楽しめるアトラクションを生み出すことが 可能でした。 それが、私がこの世界に来て最初に手に入れた 『Angel Player』 というソフトの影響だったと 知ることは容易でした。 想いが形になる・・・そう捉えることが目の前で起こったからです。 そう、SSSの皆さんが武器やらギルドやらと物を製造していったのです。 何故そんなことになったのかというと、一人の女の子が神に抗うと言い始めたのがきっかけでした。 何を勘違いされているのか、その子はこの世界で私と一緒に学校生活という日常を過ごしてしまうと 消えてしまい、そうするようにと私が制裁をしているかのように思っていたのです。 そして、訳の解らない戦争が勃発したのでした。 私はこのソフトを利用して、自らを護る為にカスタマイズを施しました。 それに呼応するかのように、SSSの皆さんは戦略を練ったりして私に攻撃を加えていくのでした。「これって、戦争なのよね・・・。 哀しいわ。」 現実との違いを目の当たりにした私は溜息を吐くばかりでしたが、後々その意味が解ったのでした。 仲村 ゆり。 それが、SSSの創始者でもあり、この戦争の発端となった“ゆりちゃん ”だったのです。 この世界の人たちは未練があって、想いを成就できなかった者が流れ込んでくる世界でした。 私もその一人ですが、大恩ある人に想いを告げられなかったという未練があったから この世界に行き着いてしまったのでしょう。 この世に神様なんている訳はないのですが、それでも信じてしまうのは人間だから。 何かに縋すが っていかなければならない時もあるのが人間です。 ゆりちゃんは 『Angel Player』 を利用している私のことを勝手に天使だと思い込み、 神様であると彼女自身の解釈の檻に閉じ込められてしまったのです。 それが災いして今に至る訳ですが、その過程の話は“皆さん ”にはもう充分すぎるほど観てきたことでしょう。 だから省きます。「べ、別に語るのが面倒だからって訳ではないのよ・・・?」 私に運命の日がやってきました。 それは、念願の人に会う為の布石。 その人は最初おかしな人かと思いました。 この世界に来て死なないことを証明してくれ・・・だなんて。 躊躇無く、私は彼の心臓を貫きました。 でも、貫いた感覚が妙だったのです。「物に当たる感触がない・・・。まさか、心臓が無いの?」 もしかして、貴方が・・・私の命を繋いでくれた心臓の持ち主なの? 私の頭の中では雑音の旋律が流れ、驚きと戸惑いが交錯していました。 でも、貴方だとは限らない・・・。 それもそのはずです。 その人と同じ運命を辿った人なのかもしれない、別人である可能性もあるから。 当時の私はそう思っていました。 けれど、貴方は本物の貴方でした。 度重なるSSSとの戦闘を繰り広げている中、私はその人と親密な関係になっていきました。 これも運命だったのでしょうか。 彼は記憶喪失を抱えて、この世界に辿り着きました。 『Angel Player』 の私のデータに異変が起きて、彼が真っ先に私を救う為にSSSを動かしてくれた時でした。 最後には彼が残り、私の元まで来てくれました。 私の分身たちが私の身体の中に戻る反動で苦しんでいた私を彼は抱き締め、支えながら護ってくれていました。 気が付けば保健室で私は眠っていて、ずっと彼は看病をしてくれるかのように傍に居てくれたようです。 私が目覚めた時、既に彼は眠っていました。 その瞬間、私は彼の記憶の中で、彼の壮絶な過去を知りました。 そして、彼が記憶を思い出した時、思い残すことがなくなり、彼がそのまま消えてしまうのではないかと 私は思いましたが、それは違いました。 私の“心臓の鼓動 ”の音を聴きながら、貴方は自分の過去を思い出していたから。 鼓動の音が無かった貴方だったからこそ、記憶喪失だった貴方。 だから確信しました。 彼が貴方だったと。 貴方に 『ありがとう』 を言いたい。 でも、それを言ってしまったら、今の貴方の望みが叶えられなくなってしまう。 私は彼の望み通りにしてあげたいと心の底から思っていました。「・・・まだ、貴方と一緒にいたい」 会うは別れの始め。 今まで貴方と逢ってから遠回りはしたけれども、一つの目的に向かってこれました。 ですが、貴方にお礼を言った後はすぐにもお別れになってしまいます。 GIRLS DEAD MONSTERの第2ボーカルのユイちゃんが消えた後、事態は急速に思わぬ方向へと転びました。 NPCに強制的に変換させてしまうプログラムの影の発現です。 その制御プログラムの中枢である第2コンピューター室をゆりちゃんが破壊したおかげで事態は収拾されました。 と同時にお別れの時期が迫ってきたのです。「本当に早い・・・。貴方と逢ってまだちょっとしか時が経っていないのに・・・。」 私は何故、もっと早くに逢えなかったのかと落胆しました。「でも、これが人生・・・なのよね。」 卒業式。 最後の式典がやってきました。 それは、残りのSSSメンバーとのお別れの儀式。 ゆりちゃん、日向君、直井君・・・、そして・・・・・・・・・結弦ゆずる 。 初めての卒業式。 卒業式は現実の儀式に則った形で行われました。 皆、最後は笑顔でお別れをすることができたけど、最後の最後は寂しい想いでいっぱいでした。 最後は、結弦と二人きりになりました。 どんな言葉をかけてくれるのか、待っていました。 すると、とんでもない言葉が聴こえてきたのです。「あのさ・・・奏・・・。ここに・・・残らないか?」 ・・・そうしたい、そうしたいけど。 でも、卒業式の答辞の時に踏ん切りがついたと言っていたのに、心変わりしてしまったの?「俺はお前と一緒に居たい・・・居続けたい。 ・・・・・・だって俺は・・・・・・・・・奏のことがこんなにも・・・好きだから。・・・好きだ!」 ・・・・・・。 私は沈黙を続けました。 だって、言葉に出したら・・・私が先に消えてしまうから。 貴方に・・・“ありがとう ”を言いにきたのだから・・・。 私は貴方のおかげで生き存ながら えることができたの。 貴方がドナー登録をしれくれたおかげで、私の弱まった心臓から貴方の心臓へ移植されたの。 私の心臓は・・・貴方の心臓なの。 今も私の心臓、いいえ・・・貴方の心臓は鼓動を続けているわ。 私の心残りは・・・私に人生を・・・青春時代を与えてくれた恩人に感謝できなかったことなの。 貴方と初めて出会った時から、今に至るまでようやく理解したの。 貴方の胸を突き刺しても心臓の感触が無かったこと、私の鼓動を聴きながら私の胸の上で眠っていた時に 貴方が本当の記憶を取り戻したこと。そして、貴方が私に対して献身的だったこと。 貴方には言葉では言い表せない程、感謝してる。 だから・・・。「結弦・・・お願い。さっきの言葉・・・もう一度言って!」 彼は酷く拒みました。 恐怖心に囚われるかのように、哀しい目をしていました。 でも、私は貴方に言ってもらいたい。 たとえ、お別れになっても・・・新しい人生が待っている・・・その尊さを貴方の心の中で感じ取ったから。 私と彼は抱き締め合いました。 遠くに行かないように、ずっと傍にいてくれるように、お別れではない明日への扉を開く為に・・・。 彼は最後まで私に優しかった。「奏・・・愛してる・・・。ずっと一緒に居よう・・・!」 「うん! ありがとう、結弦!」 「ずっと・・・ずっと一緒に居よう!」 「うん! ありがとう!」 「愛してる! 奏」 「うん♪ すごくありがとう・・・。 愛してくれて・・・ありがとう♪」 命の息吹が・・・彼の心の中にまで届くように・・・私は言った。「命をくれて・・・本当に・・・・・・・・・ありがとう♪」 ―――Angel beats.天使は鼓動する――― きっと、私は貴方に出逢えて・・・。 新しい人生を迎えると信じてる。 だって、そうでしょう?―――貴方の鼓動がいつでも聴こえるから――― ------------------------------------------------------------------------------ ポンッ。 誰かに肩を叩かれた私は後ろを振り向いた。 くすっ。 私は笑顔になって、その人に言った。「おかえりなさい」 その人は言葉を発せず、笑顔で返してくれた。『ただいま』 私には解った。 心の中で音楽が響いているから。 そして・・・。―――音の無かった世界に、音楽が奏でられたから――― Fin 【感想】 やはり、音無が 『Angel Player』 のプログラマーで、奏を待っていた・・・?
いや、そうすると時系列が狂ってしまうのでしょうか。
まぁ、そんなことより第2期もしくはゲームで補完されるに違いありません。
さて、私の言いたいことは記事に書いた通りです。
オリジナルだけど、こんな風に締め括られたのではないのかなと考えました。
エピローグ (最後) の現実の世界は・・・今の世界だったのか、それとも他の世界だったのか・・・。
とりあえず、今の世界と考えて奏が生きていたと考えています・・・。
理由は生き存えている (=今も生き続けている) と奏本人が言っていることと、
おそらく卒業式を体験していないのは心臓の手術に関わる期間があり、
その間(小学校・中学校時代)は卒業式に出席できなかった・・・と思っているからです。
心臓の手術、つまり移植後の奏こそが、死んだ世界に迷い込んでしまった彼女ということです。
今も現実世界で生きているからこそ・・・迷い込んだのでしょう。
音無の場合は・・・もしかすると・・・自分がドナー登録をして、誰かの為に役立ったのかと
確認をしたかったが為に・・・迷い込んできてしまったのかもしれませんね・・・。
話は反れましたが、エピローグの現実世界に音無が居た理由は・・・あれですよ。
神様の仕業です。(ぇ???
そういえば、OP曲のタイトル 『My Soul, Your Beats!』 の意味ですが、
これは 『奏の魂、音無の鼓動』 という意味だったんですね。
多分、合ってるはず・・・w
とりあえず、毎度、ブログを書き連ねている皆様方、お疲れ様でした。
制作陣を始めスタッフの方々もお疲れ様でした。
次回、期待してます!w
『AngelBeats!』 の記事に関する私の執筆もここまで。
第13話(最終話) 『Graduation』 (動画)
アニメ AngelBeats! 第12話 『Knockin' on heaven's door』 ※『Angel Player』 のプログラマーとゆり視点の記事です(一部オリジナル)
【ずっと愛せるか】 行為は約束できるものだ。しかし、感覚は約束できない。 なぜなら、感覚は意思の力では動かないものだからだ。 よって、永遠に愛するということは約束できないように見える。 しかし、愛は感覚だけではない。愛の本質は、愛するという行為そのものであるからだ。 (『人間的な、あまりに人間的な』 ニーチェ)
【天国への扉を叩く】 かつて、死んだ世界で一人の男性が一人の女性と暮らしていました。 その女性は愛を知り、独り死んだ世界から飛び去って逝ってしまいました。 彼は彼女にもう一度、逢えるようにと願いながら、独りずっと死んだ世界で待ち続けました。 しかし、一向に彼は彼女に逢えません。 残酷なことに限りの無い時間が存在する世界でさえ、彼は彼女に逢うという願望を叶えることが難しかったのです。 やがて、彼は無限に続くその精神的苦痛に耐えられなくなり、自らを解放する為にNPC化を図りました。 死んだ世界に愛が芽生えたら・・・という仮定を基に彼はプログラムを組み、その仮定が証明された場合は NPC化へと導く影を発現させ、死んだ世界の“在るべき姿 ”を求めました。 意思を持たない存在であるNPCになることにより、彼は自らの苦痛を忘れようとしていたのです。 彼は、『Angel Player』 というソフトを創りました。 それは、死んだ世界の原理を作成・改変できるという、まさに神格に相応しいプログラムでした。 彼がそのソフトを創った目的は解りません。 もしかすると、彼は彼女と過ごした世界を“現実の世界のように ”視せる為に、過ごせるように と願い、叶える為に創ったのかもしれません。 死んだ世界は“卒業していくべき場所 ”と理解を示していた彼ですが、その世界から彼女が居なくなって しまったことに気づくと、再び逢いたいという欲求が生まれ、彼女と再び逢うまでは死んだ世界に 残り続けるという一種の残留思念が彼を駆り立て、 『Angel Player』 のプログラムに その命令をも組み込んでしまったのかもしれません。 結局、彼は彼女に逢えず、その苦しみから抜け出す方法だけを考えていました。 その流浪の果ては、あまりにも皮肉なものでした。 稀に誰かの為に生き、報われた人生を送った者が記憶喪失で迷い込んでくることがあります。 それが、彼だったのです。 彼の苦しみの旅の終着点は、プログラムのバグだったのです。 自らのバグに気づいた彼は、すぐさま 『Angel Player』 プログラムを修正し、 影を利用して“初期化 ”を施しました。 初期化、つまり、彼自身の彼自身による彼自身の為のNPC化でした。 それこそが、苦しみからの解放だったのです。 言い換えれば、『死んだ世界に愛は必要ない。愛が芽生えたのならばNPC化してしまえ』 と 命令を実行させたも同然でした。 『Angel Player』 の開発者がそのソフトのバグと化し、自らのバグを修正するに至り、 死んだ世界の原理をさらに改変してしまったのです。 今もなお、彼はNPCになって彼女を待ち続けています。 ---------------------------------------------------------------------------------------------- だから、彼の旅はまだ終わっていません。 願わくば、彼の旅を終わらせるように助けてあげてください。 今の貴方なら、それもできるはずです。 しかしながら、貴方の“意志 ”の基に成り立つ世界でもあります。 貴方が今まで製造した物と同じように。 世界をどう変えるかは、貴方次第です。 私には貴方に命令する決定権はありません。 貴方の選ぶ道を進んでください。 無限に続く時間の中で、後悔の無い選択をしてください。 選択する時間は無限にあっても、選択する行為自体は一回限りなのです。 貴方の望むがままに。 最善なる選択を。 「私は、今までSSSの皆を護る為に死んだ世界と闘ってきた。 全てのマシンを今すぐ止めなさい 」 「本当にいいんですか? 時間はたっぷりあります。 有限ではない無限の時間があるのです。考えましたか? 」 「人間の人生は有限よ! 常に一刻を争う道を歩んでいるの! 1秒だって無駄に出来ない時だってある! 今の私には迷いが無い! 」 「・・・そうですか。いい夢を見れた気がします。マスターもきっと許してくれることでしょう。 貴方みたいな“人間 ”の手で世界が変わるところを観れるのですから・・・ 」 「・・・そう言ってもらえて嬉しいわ。じゃあね。開発者には悪いけど、壊させてもらうわ 」 私の目的は達成された。 SSSの皆はこれで救われたはずだ。 音無君の意向が皆に伝わっているから、今頃はもう・・・。 そして、私も・・・。―――もう、独りで苦しまなくていいんだよ? 今までありがとう! 長い間、おつかれさま! おねえちゃん♪――― あぁ、私の想いが昇華されていく。弟妹きょうだい たちへの想いとSSSの皆への想いの間隙がちょうど緩和された感覚だ。 どうやら、私の中で解読不能だった式の答えがようやく導き出せたようだ。 弟妹たち=SSSの皆という“答え ”が。 思い残すことは・・・もう無い。 あの子たちも許してくれたから・・・。 この時、私は初めて“一人の女の子 ”になって、大いに泣き叫んだ。『Brave Song』 (勇敢で恐れない唄) 「今まで怖かった・・・、辛かったよぉ・・・。うわぁぁ???ん!!! 」 さようなら、私の・・・たった一つの人生。 さようなら・・・、みんな。 目を開けると、そこは“ありえない日常 ”が待っていた。 え・・・奏ちゃん・・・? それに、音無君、日向君、直井君も・・・。 どうして・・・??? ここは、死んだ世界の保健室。 そこにあるベッドで寝ている私。 これは、夢か? でも、目の前の光景は・・・まるで、私を待っていてくれていたかのような温かい眼差しがあった。 ずっと私を愛してくれていたかのように。『おかえり! ゆりっぺ!』 そう、聴こえたような気がした。(終) 【感想】 これまた死んだ世界の原理が難しいです。
私なりに解釈してみましたが、いかがでしょうか?
『Angel Player』 の開発者およびプログラマーは誰なのか、真意は?と謎ばかりです。
しかし、プログラマーとして候補にあげるとすれば・・・音無 結弦でしょうか・・・。
彼が待っていたのは音無 初音で、自らの残留思念がバグになってしまった、と。
そうなると、『Angel Player』 を開発した意図が見えてこない。
そして、結弦と初音が居た死んだ世界って・・・どうなのでしょう。
二人の慈しみ合う心という名の愛があったのは間違いありませんが、訳が解らなくなってきますw
いっそ、『Angel Player』 のプレイヤーになって解明したいです。(ゲーム化の予感・・・?)
第12話 『Knockin' on heaven's door』 (動画) 次回 第13話(最終回) 『Graduation 』 ⇒ 卒業式。世界の旅が・・・終わりを告げる・・・。
アニメ AngelBeats! 第11話 『Change the World』 ※ゆり視点の記事です(やっと完成)
【解釈のジレンマ】 物事はいかようにも解釈できる。 良い物事、悪い物事が始めからあるのではない。良いとするのも悪いとするのも、 役立つとか役立たないとか、素晴らしいとか醜悪だとか、いかようであろうとも、 解釈するのは結局は自分なのだ。 しかし、どう解釈しようとも、その時からその解釈の中に自分を差し込むことに なるのを知っておこう。つまり、解釈に囚われ、その解釈ができるような視点からのみ 物事を見てしまうようになるのだ。 つまり、解釈や、そこから生まれる価値判断が自分をきつく縛るというわけだ。 しかし、解釈せずには物事の始末がつけられない。ここに、人生を読み解いていくことの ジレンマがある。 (『たわむれ、たばかり、意趣ばらし』 ニーチェ)
【世界を変える】 一人が闇の影に取り込まれ、魂を持っていかれてしまった。 本当にそうなのだろうか? これを紐解くには、どう解釈すればいいのか? 現在、目の前でSSSの仲間である高松君がNPCの成れの果てとなってしまったことは 何となく解るのである。 実際に高松君の行動を凝視し、“私の解釈や価値判断 ”で物事を視てしまったが故の“解る ”であるのだが、 そうしなければ現状を読み解くことかできないのも事実なのだ。 これは、私自身の解釈。 他の人から視れば、また違った解釈になるだろう。 いわば、個々の普遍性である。 死後の世界は形を変えてしまった。 この世界はイレギュラーだけに、更なるイレギュラーが生まれてしまったのだから。 私にはもう“言葉 ”は要らない。 別れは笑顔で・・・って最後はハッピーエンドで“ゲーム ”は締め括られるようになっている。 私のやるべきことは一つしかない。 自らの人生を辿る為に前へ突き進む。 魂を喰らう影の正体を突き止め、死後の世界を“元の死後の世界 ”に変える。 高松君みたいに“不慮の事故 ”で消えるだなんて、悲憤慷慨ものである。 それこそ、報われない。 だからこそ、一人一人が“自らの選択で決めた人生 ”を以って、物語を終わらせる。 これが、私なりの“解釈 ”。「じゃあ、また逢えたら逢いましょう!」 影にも怯まず、死後の世界にも脅えず、私は闘い続ける。 “独り ”なのは慣れているから。―――貴方にはたくさんの支え合う仲間たちがいる――― “あの世界 ”に戻る訳にはいかない。 戻ったら、物語は空白と化し、私の人生は終焉を迎えてしまう。 私は消えない。消えてたまるか。消されてたまるか。―――あの子たちの分まで背負って、生きなければならない――― 私の心は常に“ジレンマ ”だらけだ。 妹たちの想いとSSSへの想いが間隙を生じている。 心は一つしかないのに、私は闘わなければならない。 相反する二つの想いが私という境界線を隔てて、掻き削り合っている限り・・・。 私は変わってしまった世界の空の上を見た。 暗闇の空。 今の私には丁度いい景色だ。 躊躇いなく、暴れることができる。 世界に抗うには、必ず“闇 ”が覆われていなければならない。 私の心をそっと仕舞い込んでくれる、唯一の“壊れない記憶 ”だから。―――貴方の心、真実ほんとう は明るいのに・・・――― (終) 【感想】
本日は仕事があったので、記事作成が遅れました…っていつも遅いんですけども!
土曜は毎週予定が入っているので、どうも作成がうまくいきません。
とまぁ、そんなことはさておき、今回はゆりの想いを綴ってみました。
駄目だ、物語を紐解くには話数が少なすぎる・・・!?
全員の生前の世界の話を展開して、今の世界の謎を解明しなければいけませんね。
これが、私の解釈のジレンマです。(ぇ
第11話 『Change the World』 (動画) 次回 第12話 『
Knockin' on heaven's door 』
天国への扉を叩く…。ゆりが選ぶ道は…!?
アニメ AngelBeats! 第10話 『Goodbye Days』 ※ユイ視点の記事です
【満足が贅沢】 今では享楽者とか快楽主義者という誤解された意味でのみ使われている“エピキュリアン ”という言葉だが、 その語源となった古代ギリシアの哲学者エピキュロスは、生きていく上での快楽を追求した。 そして辿り着いた頂点が、満足という名の贅沢だった。その贅沢に必要なものは、しかし多くはなかった。 即ち、小さな庭、そこに植わっている数本のイチジクの木。少しばかりのチーズ、三人か四人の友達。 これだけで、彼は充分に贅沢に暮らすことができた。 (『漂泊者とその影』 ニーチェ)
【お別れの日々】 さようなら、私の日常。 後ろから車に撥ねられ、身体が動かなくなり、入院することになった。 五体満足ではなくなった私の身体。 空を飛べないのは愚か、地を歩けもしない身体。 もっと自分の思い通りに動いて生きたかった。 思いっきり動いた後は、誰かと結婚してその人と一緒に楽しい日々を堪能していくんだ。 そんな“生まれながらにして持つ当然の権利 ”を神様は私から奪ってしまった。 だけど、神様は最後に希望の光を与えてくれた。 今、私が居る死後の世界だ。 自由に動かすことができる身体と、自由に振る舞える環境を与えてくれたんだ。 寝たきりの私にはテレビという内なる世界しか目に映せなかったから、自ずと これがやってみたい、あれはいいなと欲求を膨らませていく以外ほかなかった。 唯一の支えはお母さん。 いつも笑顔で優しく私のお世話をしてくれる大切なお母さん。 お母さんの温もりに包まれて、幸せを享受しているのに不変で不平不満の日常は私を蝕んでいった、【満足のいく人生って贅沢?】 コッチの世界ではお母さんは居ないけど、自由がある。 私に足りなかったものがコッチの世界で追加された感覚だ。 音楽のボーカルはコッチの世界では幾度となく経験し、何とか夢は叶った。 だけど、まだやりたいことがたくさんある。 それに協力してくれたのが音無先輩。 どういう風の吹き回しか、先輩は懸命に私の夢を叶える為に親身になってサポートしてくれた。 その甲斐あって、私は自分のやりたいことをやり尽くし、満足感に浸ることができた。―――もう一つの史上最大の夢。・・・・・・・・・結婚――― これは流石に叶えてくれないだろう、そう思った瞬間だった。 日向先輩が夢を叶えてくれると、周囲の音を消し去る強く気高い口調が鳴り響いたから。―――コッチの世界でユイに出逢えた。生前の世界でも出逢える。運命の出逢いが必ず待ってる――― 待ち焦がれていた至高で至福に満ちた言葉。 私は歩けないよ? 自由に遊べないよ? 絶対、迷惑な存在になるよ? それでもいいの?『ずっとずっと側にいてやんよ! お前がどんな身体だって、絶対に結婚してやんよ!!!』 私の頰に熱い水が滴る。―――じゃあ、介護してくれたお母さんのこと・・・楽にしてあげてね――― 『任せろ!』 ―――・・・・・・・・・・・・・・・良かった――― さようなら、私の日常。 ここで私の日々は終わるんだ。 何て贅沢なんだろう。 死後でしか味わえない“真実の満足 ”を手に入れたのだから。 神様、ありがとう。 お母さん、ありがとう。 音無先輩、ありがとう。 日向先輩、また・・・“アッチの世界 ”でも逢おうね。 お別れの日々。 それは、私だけの物語。 病院のベッド、お母さん、日向先輩。 そして、三人だけの温かい団欒。―――これだけで、彼女・・ は充分に贅沢に暮らすことができました――― (終) 【感想】
ニーチェばかりでごめんなさい。
このアニメは人生がテーマだけあって、ニーチェの言葉が一番しっくりくるんです。
仕様です。すみません。
急展開ということは、やはり1クールなんですね、残念です。
次回で世界が変わるということは・・・何かが“リセット”されるのでしょうか。
何か生前の世界の話もアニメ化して欲しいなぁ?と思った今日この頃です。
要するに“IFの世界”ですw
第10話 『Goodbye Days』 (動画) 次回 第11話 『
Change the World 』
⇒ 世界が変わる・・・。生前の世界に?
アニメ AngelBeats! 第9話 『In Your Memory』 ※音無 結弦と立華 奏視点の記事です
【夢に責任を取る勇気を】 過失には責任を取ろうとするのに、どうして夢に“責任 ”を取ろうとはしないのか。 それは自分の夢なのではないか。自分の夢はこれだと高く掲げたものではないのか。 それほど弱いのか、勇気がないのか。 それは“自分だけの夢 ”ではないのか。最初から自分の夢に責任を取るつもりがないのなら、 いつまでも夢が叶えられないではないか。 (『曙光』 ニーチェ )
【貴方の記憶の中で】 全て思い出した。 君の傍で生前の記憶を。 全て理解した。 君の目的を。 だから、協力しよう。 SSS皆の夢を叶える為に。 理不尽で不器用な君の為に。【貴方にも、その夢を叶えて欲しいから】 “生前の医師 ”としての俺と“死後の医師 ”としての俺。 どちらも何ら変わりは無い。 変わっているとすれば、それは想い。初音 から受け取った“生ける想い ”を頼りに 俺は今、SSSを救う“新たな責任 ”を持ったのだから。 立華 奏と共に・・・。―――夢が達成された時、俺たちはどうなっているのだろう?――― ―――夢。私だけの夢って・・・・・・・・・なぁに?――― (終) 【感想】
音無に敬礼!
いや本当に尊敬できます。
以前、私たちの世界でも同じような事故が起きましたね。
あれは確かトンネル崩壊事故。
電車ではなく、自動車の通るトンネル。
あのような事件に似てますね。
自分の夢に責任を持っていた音無。
最後は人々を“
医師として救った ”と実感できたからこそ、生涯を閉じることになったのかもしれません。
夢を叶えた・・・、でも・・・自分が死んでしまっては夢は・・・“
叶えたことにならない ”というのが
死んだ世界に辿り着いた“
証 ”だったのでしょう。
第9話 『In Your Memory』 (動画) 次回 第10話 『
Goodbye Days 』
⇒ お別れの時期? 消える・・・のか?
「
Angel Beats! 」 のOP/ED収録のCDを購入しました!
OP曲 『My Soul, Your Beats!』 (唄 Lia) ED曲 『Brave Song』 (唄 多田 葵) 天使 「無限がCDを買ったわ」
ゆり 「それがどうしたのよ?」
天使 「うまいわ・・・」
ゆり 「・・・はぁ?」
音無 「解説しよう! 奏は大好物の麻婆豆腐を食べながら言っているんだ」
ゆり 「・・・どうでもいいわよ、そんなの」
天使 「・・・いい音楽だわ」
ゆり 「無視かい! 人の話を聞かずに音楽だけは聴いているなんて・・・流石だわ・・・」
音無 「あぁ、いい音楽だな」
ゆり 「おい! ・・・全く、呆れた二人だわ・・・。さて、私も聴くことにしますか」
〔
ニコニコ動画 〕
OP曲 『My Soul, Your Beats!』 (唄 Lia) ED曲 『Brave Song』 (唄 多田 葵)
アニメ AngelBeats! 第8話 『Dancer in the Dark』 ※ゆりと天使と音無視点の記事です
今回は短い記事にてお許しを・・・。(泣)
【暗黒舞踊】 暗黒舞踊。 〔調和/過剰〕、〔美/醜〕、〔西欧近代/土着・前近代〕、〔形式/情念〕、 〔外への拡がり (extension)/内的強度(intensity)〕といった対において、後者の中にこそ 見いだせる倒錯した美を追求する踊り、と言えるかもしれない。 つまりは、本能や感情の異常ならびに人格の異常によって、物事を正統化してしまう行いといったところだろう。 ハーモニックス。 振動体の発する音の内、基音の振動数の整数倍の振動数をもつ部分音(上音)。 管や弦の発する楽音では、部分音の多くは倍音(ハーモニックス)となっている。 規律を守っていた生徒会長だった頃の天使の心が倍音という名の分身を創り出し、暗黒舞踊のような 人格異常によって社会規範を律する行動に躍り出た・・・? いや・・・、モンスター・ストリームの時に見せたハーモニックス・・・。 あれは間違いなく、天使が“私たちを助けたい ”と想ってスキルを発動させたはずだわ。 彼女の“心(基音) ”の振動数の整数倍をもつ倍音になるはずなのに、これは一体どうしたことか。 ん、だったら・・・基音っていうのは・・・? 基音。 音響学で楽音を構成する部分音の内、振動数の最小のもの。その楽音の音高を決定する。基本音。 ・・・そうか、つまりは天使が今、“感じている鼓動 ”。 これが最小のもの、即ち“SSSに対する親和性の低さ ”に値するということだわ。 全てが・・・世界が変わり始めている・・・。 音無君が天使に優しく接するようになってきた。 SSSの仲間として今は存在する天使。 もしかすると音無君がこの死んだ世界に影響を及ぼしているのかしら・・・。―――神は私たちに何を試しているというの・・・?――― 引用:ウィキペディア/広辞苑 第8話 『Dancer in the Dark』 (動画) 次回 第9話 『
In Your Memory 』
→ 君の記憶の中で・・・立華 奏の記憶の中で・・・音無 結弦の記憶が全て蘇る・・・?
アニメ AngelBeats! 第7話 『Alive』 ※音無視点の記事です
やっと完成。 今回は音無と初音の物語をお楽しみください。
(※一部オリジナル入っております)
【生きている】 生き甲斐って何だろう? 言うまでもない・・・、人生で“生きていてよかったと思える ”言葉だ。 もしも、生き甲斐を失うことになったら、生きる希望が消えて絶望を味わうだろう。 では、消えた生き甲斐が別の形に変わって、全く新しい生き甲斐が生まれたとしたら?【俺は 一所懸命に生きて ゴールに向けて 挑み続ける】 俺はまだ“生きている ”! 生きている理由は他でも無い。 希望の光は常に俺の近くにいて、ずっと俺を励ましてくれるように輝いていたから。―――はつね・・・、俺はお前だけの為に生きて、お前に支えられていたんだ―――
「ありがとう、お兄ちゃん♪」 たった、それだけのたわい無い言葉が俺の活力の源だった。 俺の名前は音無 結弦ゆづる 。 音が無い、弦を結ぶって書くんだが、矛盾してるだろ? 自分でも名前には笑えてくる。 でも、この名前には意味があることに気づいたんだ。 ・・・そこで、妹の名前が必要になってくる。 妹の名前は音無 初音はつね 。 漢字は異なるだろうが、始めの音を奏でるには楽器が必要だろう? たまたま弦を使う楽器になるが、弦を結べば楽器の完成だ。 楽器と始めの音が組み合わさると、俺が妹を奏でる役になるって連想できないか? それに、初音っていうのは鶯うぐいす や杜鵑ほととぎす などが毎年、元旦の一番最初に鳴く声を意味しているそうだ。 この言葉は歴史書 『栄華物語』 の中で使われている。 『栄華物語』 は藤原道長の栄華を綴り、仮名で書かれたもので年月の順を追って 事実を記した歴史編集本らしい。 “栄える華 ”というだけに、大層な栄光時代であったに違いない。 時は平安時代。 その時代に連想される弦楽器は琵琶だろう。 奈良時代にペルシア・アラビアからインド・西域・中国を経て伝来されたといわれる。 琵琶があれば、それを演奏する者が必要になってくる。 代表されるのは、鎌倉時代に生まれた琵琶法師だろう。 琵琶法師によって、 『平家物語』 等の武士を主人公とした軍記物語が日本国中に語り広められたといわれる。 演奏しながら物語を語るのだから、現代のテレビのナレーションを一人でこなしているようなものである。 歴史を披露しているが、ここまで深く掘り下げると初音という名前がどれほど“俺との結びつきが強い ”ことを 示しているか解ってくれると思う。 琵琶は俺、琵琶の音が初音。 この二つが無ければ、音は奏でられない。 奏でる人がいなければ、音すら鳴らないのだが・・・。 初音、それが俺にとって、たった一人の家族である、かけがえのない妹だった。 家族は他にいないのかって? 確か両親がいなくて、祖母の世話になっていたんだ。 もちろん祖母も家族だが、人との関わり合いを嫌っていた俺には親しみが持てず、 身近にずっといた妹だけが俺にとっての家族だったんだ。 その家族が突然、この世からいなくなってしまった。 初音の容態は日増しに悪くなる一方で回復の見込みがなかったのだ。 俺は初音の笑顔を、そして喜んでもらいたいという気持ちを背に、医者には内緒でクリスマスに 初音が行きたがっていたイルミネーション街へと出向いたんだ。 初音はもう言葉すら容易に話せなくなっていたが、あの言葉だけは俺に投げかけてくれた。―――ありがとうね・・・・・・お兄ちゃん――― 今までで一番弱々しい口調だった。 言いづらいのに、言ってくれる。 俺は独り初音に喋りながら、さながら琵琶法師のように語っていた。 それが、最後の俺たちの想い出になった・・・。 それからというものの、俺は生き甲斐を失った。 祖母に迷惑は掛けられないことも含め、祖母の家からは出て行き、一人暮らしを始めた。 単に“独り ”になりたかっただけかもしれない。 もう俺には絶望の道しかなかったのだ。 そう思っていた矢先、俺の目に“初音のような子 ”が映った。 どうやら無事に退院をして、医者や看護婦にお礼を言っているようだ。 屈託のない笑顔を見せるその子。 初音・・・、お前にもこうなって欲しかった・・・。『 お兄ちゃん! 私の分まで長く生きてね♪ きっとお兄ちゃんなら大丈夫!!! 』 微かに聴こえた風の声。「初音・・・、どこにいる・・・?」 辺りを見渡してもどこにもいるはずはない。 それなのに、声だけが響いたのだ。「俺に・・・始めの音が奏でられるって言うのか? なぁ、初音!?」 一心不乱に初音の声(風の声)に心の中で問い質す。 ・・・・・・返答はなかった。 まさに、死ぬるばかりは真だった。 しかし、たった一つ、大切なモノを初音から受け取っていた。 “生き甲斐 ” もう一つの生き甲斐、いや・・・始めの生き甲斐を新しく塗り替えてくれた生き甲斐。 初音のような子を、人を助ける為に俺は“医者の道 ”を進む決断をしたのだ。 バイトをしながらなけなしの金で学校生活を送り、毎晩勉強に励み、学校の成績を上げていく。 目指すは有名な理系大学。 ゴールに向かって、俺はへこたれずに挑み続けた。 その繰り返しの日々を過ごし、やがて大学入試の時期がやってきた。 試験当日、電車に乗り、一枚の受験票を手に取り、いよいよだと決意の胸を躍らす。 場所は札幌だった為、試験時期が冬だけに雪が降っていた。 そんな束の間だった。 電車の走る音が少しだけ妙な音を鳴らした。 だが、その後、正常に走っているから問題ないと俺は勝手に思っていた。 ・・・急停車するような、そんな感覚。 突然、電車は激しく上下左右に揺れ動き、停電し、傾いたのだ。 大事に持っていた受験票は宙を舞い、俺の手から離れていく。「待ってくれ・・・俺の最初の一歩 (始めの音) が・・・」 手には届かなかった。 別に電車が復旧した後に取ればいいだけのことじゃないか。 けれど、取れなかった。 ・・・・・・・・・俺の人生が終わっていたから。 そういえば、俺は初音に“大切な忘れ物 ”をしていた。 楽器とそこから鳴る音があっても、琵琶法師のように奏でる奴がいない。 初音に早くプレゼントしなきゃならないのに・・・・・・。一体どうしたらいいんだ?【立華たちばな 奏かなで 】 死んだ世界に初音と重なった人物がいた。 そいつは初音のように笑顔を見せる奴ではないが、境遇が似ていた。 死んだ世界でいつも孤独に“意味のない生活 ”を繰り返し、戦争という苦しい闘いを続け、一時ひととき も安らぎがなかったのだから。 今は戦争が無い。 だから、後者は克服した。 あとは前者だけだ。 そいつの笑顔を俺は見たくて、SSSのメンバーに勧誘したんだ。 小っ恥ずかしいが、俺はそいつのことが好きなのかもしれない。 俺の記憶が戻ったせいで、初音のようにそいつが視えているから・・・。 なぁ、初音・・・俺は“ここ ”でお前に最高のプレゼントをしようと思う。 俺だけじゃない、SSSのメンバーと・・・そして、奏からのプレゼントだ。 俺が楽器になって、SSSのメンバーがその楽器の音を引き立たせて、 奏がお前の音を奏でるんだ。 忘れ物はここに置いてきたのかもしれない。 お前がこの世界にいないのは、よく解る。 お前は最後まで笑顔でいて、“幸せ ”を少なからずも享受していたんだろう。 そう思うと、涙が止め処なく溢れてくる。 俺のことをどれだけ大事に想っていてくれていたか、伝わってくるからだ。『 お兄ちゃん! 始めの音(初音)を聴かせて♪ 』 あぁ、聴かせてやるさ。 どんなオーケストラにだって負けない最高の音楽をプレゼントしてやる!『 約束だよ! お兄ちゃん♪ 』 あぁ、約束だ。 俺は何があってもお前に“恩返し ”をするからな!『 ありがとう! お兄ちゃん♪ 』 今の俺には迷いが無かった。 死んだ世界に生き甲斐なんて皆無だ。 偽りの無い記憶が、それを物語っている。 あの受験票の続きを・・・奏でる為に・・・。 いつか、届くように、手を伸ばして。―――俺は今、ここ・・ で生きている・・・・・・ ――― (終) 【感想】
音無が物理のテストが得意だったことが今回で判明されましたね。
やはり、伏線を張っているみたいです。
他ブログ様を参考にしてみても、全て今までの話が繋がっている模様です。
それにしても、 『
物理的領域の因果的閉包性 』 を運営される技研様の考察は素晴らしいと思いました。
勝手にリンクしちゃって申し訳ないのですが、皆様もご覧になっていただければと思います。
いやはや、他ブログ様の考察が素晴らしすぎて、私は別の方向から考察し、執筆してみましたw
(追記)
・『栄華物語』 の栄華は立華 奏の立華 (華を立たせる) に掛かっているとみて、書き連ねました。
・音無が受ける予定だった試験会場の住所は札幌じゃなかったですね・・・何て読むのか解読できませんでしたw
あえて、札幌にしておきます。
第7話 『Alive』 (動画) 次回 第8話 『
Dancer in the Dark 』
→ 闇の天使が暗闇で舞う(奏でる)・・・。
アニメ AngelBeats! 第6話 『Family Affair』 ※音無と直井視点の記事です
【家庭の事情】 僕は僕でありたかった。 兄の代わりではなく、僕のままで居たかった。 僕を認めてくれるように、僕を褒めてくれるように。「だが、文人あやと もやりおる」 ―――ただ、僕の存在を父に認めてもらいたかった―――
新たに生徒会長に就任した直井 文人。 彼の意のままに、俺を含めたSSSの一団は反省室に連れて行かれ、制裁を加えられた。 当然ながら、その制裁にSSSは納得行かず、その後の学校生活では風紀を乱した行動に躍り出た。 だが、直井が黙っていなかった。 すぐさま、取り締まりに入り、SSSを追い詰めていこうとする。 それに懲り懲りしているSSSは一目散に逃げ出し、反抗を続けた。 そんな中、俺は独り寂しく教室の自席に座っているタチバナ(天使)に声を掛ける。 昼の時間ではない中途半端な休み時間帯だったが、あの激辛麻婆豆腐をおごってあげるべく、 俺は一緒に食べようと誘ったのだ。 すると、タチバナはすっと席を立ち、進んで食堂へと赴いていく。 俺はそのままタチバナと一緒に食堂であの激辛を食べる。【もう、独りじゃないだろ?】 食す中、タチバナは妙なことを言い出した。「わたし・・・麻婆豆腐が好きなの? ・・・・・・初めて知った」 お前・・・、何を言ってるんだ・・・? 自分の好きな物が解ってるのに、まるで記憶が無いような言い方を・・・。 ん・・・記憶・・・。 まさか、お前も・・・俺と同じで記憶が無いのか・・・??? 俺の頭の中で安寧と迷妄が錯綜する中、直井がやってきた。 何でも昼休み以外の休み時間中に食事を摂ることは校則違反だという。 タチバナは素で忘れていたと言う始末。 流石に大好きな風味の食べ物には目がないのだろう。 結果は言うまでも無いが、俺たちは反省室に・・・いや、独房室に閉じ込められてしまった。 二人きりの独房室。 おいおい、独房室に二人って狭すぎだろ! タチバナはやることもないと言い、勝手に寝てしまう。 う、俺どうするよ、俺!!! 暫く経つと、ゆりから貰った無線機からゆりの声が聞こえてきた。 ゆりからの通信だった。 ・直井はNPCではなく、私たちと同じ人間 ・抵抗するSSSが直井から襲撃を受けている ・事態を解決するには天使が必要 俺は、ゆりからの情報で大体の状況は理解した。 勘のいいことにゆりは今、俺とタチバナが独房室に閉じ込められていることを予想していた。 何でも、反省室に閉じ込められていないことが判明し、特別な所に収監させられているのではないかと 踏んでいたのである。 もう迷っている時間は無い。 扉を壊して、前に進むしかない。 その為にはタチバナの力が必要だった。 俺はすぐにタチバナを起こし、事態の概要を説明し、何とか協力を得るに至った。 タチバナのガードスキルが発動し、鮮明で鋭い剣が扉を切り裂く。 しかし、扉は強固で傷すら与えられない。 タチバナは他の武器でも試していたが、どれも扉を壊すには適していないものだった。 (どうやら、バージョン4まであるようだ) ん、だが待てよ・・・バージョン4の形は典型的な花だが、これは使える。 何故、花かというとタチバナの趣味に準えた一品だったからだ。 バージョン2は細い剣、バージョン3は三ツ又の剣、そしてバージョン4は巨大な花の形。 まず、扉の隙間に2を、次に3に変化させ、隙間の膨張を促し、最後に4へと変化させ、爆発させる。 すると、目算通り功を奏し、花の形は見事に開き、扉をも貫き、破壊に成功した。 俺はタチバナの手を取り、ゆりたちの元へと向かった。 やがて、校庭に辿り着く俺とタチバナ。 景色は壮絶たるものだった。 どんよりとした暗い雲に降りしきる冷たい雨。 そして、目の前には無残なSSSの血の池が浮かび上がっていた。 なんなんだよ・・・これは・・・! 直井の姿を見るや否や、日向が寝転がっていて、それを虫けらを扱うように蹴っていた。 俺は日向の元へすぐに向かい、容態を気にかけた。 日向は重傷を負っていたが、冗談がましく、コレなのか?(ホモ)と言う始末。 そんな冗談を言う余裕も無い筈だと日向に怒ったが、それがSSSのメンバーなのかもしれない。 そうこうしている内に元凶である直井が近づいてきた。―――俺はお前を許さない――― 俺はタチバナに今の状況が果たして“正義 ”と呼べるものか問い質した。 彼女はやはり正当な人間だ。 すぐさま、ハンドソニックを繰り出し、直井に仕掛ける準備をする。 しかし、直井は不敵な笑みを浮かべながら全く動じない。 それどころか、自分のことを“神 ”と呼び、いかにも世界の創造主たるべき存在が 自分だと言わんばかりに狂妄じみていた。 こいつは・・・狂っている! それにも拘らず、直井は“この世界の原理 ”をあたかも知っているかのように話し出す。 ・死後の世界は神を選ぶ世界である ・生前の記憶がある者(生きる苦しみを知る者)が神になる権利を与えられた 直井の目的はただ一つだった。 “死んだ世界の人々に安らぎを与えること ” 安らぎとは、人の心を穏やかにさせ、気持ちを落ち着かせることだ。 現状が安らぎナノカ??? ふざけるなッ!!! そんな俺の怒気を他所に直井はゆりの元へ向かい、今から催眠術で君を消すなどと 戯けたことを言った。 駄目だ・・・そんな“人工的な記憶 ”を強制的に注入させて消すなんて・・・。 お前の・・・一方的な独断でゆりの人生が終わってしまう・・・? 馬鹿野郎!!!!! 俺はお前を神だなんて認めないッ!!! 神様ってのは、人間が想像して作った言葉だ! 神様は人間に“人間には持っていない力 ”を宿すと畏怖され、信仰の対象になったに過ぎない! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!!!!!! 俺は、気が付くと直井を拳で殴っていた。 そして、胸倉を掴み、“人間の姿 ”を自身に訴えるように俺は言い放った。【俺たちの生きていた人生は本物】 【たった一つしかない、それぞれの大切な人生】 【嘘の無い人生など、皆は歩んでいない】 「お前の人生だって・・・・・・“本物 ”だった筈だろうぉぉぉ?????!!!!!!」 ---------------------------------------------------------------------- ・・・僕の人生は・・・嘘だった・・・。 僕は陶芸の名手の家庭で生まれ育った。 名手は言うまでもなく父親だった。 幼い頃、その跡継ぎとして期待されていた双子の兄が突然、息を引き取った。 原因は僕と二人で渋柿取りをしていた際、誤って二人とも木から落ちてしまった。 幸い、僕は平らな草むらに落ちた為、大した怪我はしなかった。 だが、兄の落ちた所は石松だった為、頭を強打し、帰らぬ人となってしまった。 僕は名手の跡継ぎという立場ではなかった為、平凡な生活をしていた。 僕は誰からも期待されていない“意味の無い人生 ”を送っていたも同然だった。 だから、父親は言った。「死んだのはお前だ」 ・・・普通なら冗談に聞こえるかもしれないが、これが父親の“本音 ”だった。 そう、僕は兄の代わりをしなくてはいけなくなってしまったのだ。 ただ、双子という忌まわしい因縁がまとわりついていたに過ぎなかった。 今日から僕は“兄 ”になりました。 怪我の治療という皮肉な理由で世間から一旦離れ、陶芸の修業が始まった。 始めから誰も上手にできはしないのは重々承知だが、得手不得手は誰にでもあるのはご存知の通りだろう。 だからこそ、僕は何度も何度も練習した・・・いや、練習させられていた。 ある日、今までの努力の成果が実り、展覧会で入賞を果たした。 “兄 ”にとっては最悪の結果だろうが、僕にとってはかけがえのない栄光の時だった。 当然、父は僕を愚劣し、自分の顔に泥を塗るなと苦言を呈する。 でも、ここで僕は“本当の人生 ”を見出し始めた。 このまま父の厳しい修業に耐えていけば、父の望むような日本一の陶芸家になれるかもしれない。 そんな希望に満ち溢れた夢を持った瞬間でもあった。 ドイツの哲学者ニーチェは人生を次のように言っている。『 人生を最高に旅せよ 』 ・何事も明日からの毎日に活用し、自分を常に切り開いていく姿勢を持つことが、 この人生を最高に旅することになるのだ。 まさに、僕はその姿勢(夢)を持ち、新たな人生を最高な気分で旅することになる・・・筈だった。 人生の途中にはいつも分岐点がある。 勝ちか負けかと世間では最近、言われているが、適切な表現かもしれない。 そう、分岐点とは勝ちか負けかの二つしかないのだ。 僕は後者だった。 突然、父が病に倒れてしまい、陶芸の修業ができなくなってしまったのである。 容態はあまりにも芳しくなく、回復の見込みがないという。 病の床に臥した父は僕に対して優しくなった。 父に食事を作り、面倒を見ていたからかもしれない。 でも、僕は嬉しくなかった。 これから先、独立して陶芸の道を歩めないからだ。「ずっと、この人の世話をしていく人生なの!? ねぇ・・・神様!!!」 『 死んだのは 本当に 僕だった 』 ---------------------------------------------------------------------- お前の人生だって、本物だった筈だ。 今まで頑張ったのはお前の力なんだ。 生きている者にしか、それは解らない!!! 生きているからこそ、頑張れた! 今、お前も俺も死後の世界にいるが、生前は確かに現実の世界で生きていた!!! 人生に無駄なんて無い!!! 俺たちがここに居る理由はさっぱりだが、“記憶 ”があるお前は“限りある人生”が存在してた!!! 自ら無駄な人生だと否定するのは止めろ!!! 人生に嘘なんて無いってのが、お前自身でも解ってた筈だろう!? ---------------------------------------------------------------------- 全て知ったかのように言うなよ。 ---------------------------------------------------------------------- 解る、解るんだよ!!! 俺には“生前の記憶 ”が無い。 だからこそ、解るんだ! 記憶ある者の人生が嘘だったなんて、それこそが嘘だ! ---------------------------------------------------------------------- じゃあ、僕を認めてくれるのか? ---------------------------------------------------------------------- 認めるも何も俺はお前の存在を目の当たりにしている! 実在しているものに、何を認めろってんだよ!!! ---------------------------------------------------------------------- あはは、こんな光景、前にもあったな。 兄と渋柿争奪戦をしていた時、僕が兄よりも速く渋柿を採ったんだ。 それを見て、父は渋柿如きで何をはしゃいでいるのかと呆れていたが、 最後にこう呟いたのだ。「だが、文人あやと もやりおる」 それは、“僕 ”の人生の中で最高の瞬間だった。 ----------------------------------------------------------------------『 いつかは死ぬのだから 』 ・死ぬのは決まっているのだから、朗ほが らかにやっていこう。 いつかは終わるのだから、全力で向かっていこう。 時間は限られているのだから、チャンスはいつも今だ。 嘆き喚わめ くことなんか、オペラの役者に任せておけ。 (ドイツの哲学者 ニーチェ 「力への意志」 より) (終)
【変化した点】 直井はNPCではなく、SSSや天使と同じく生ける人間だった。
また、直井は岩沢の過去を知り、消えた理由さえも熟知していた。
世界のシステムとは何か。
また、後悔のある人生を辿った者が来れる世界なのか?
何故、直井は知ることができたのか?
まだまだ考えるべき点はいくつもありますね。
【考察】 成仏という言葉が初めて出てきましたが、果たして死後の世界に
適切な言葉かどうかは疑うところ。
だったら何故、一般生徒は普通の学校生活をしていると消えてしまうのか?
これは成仏でもなんでもなく、ただの勝手に消える世界。
人生はそんな容易なものではないと物語で謳われていることも含め、
ここは考えていくべきところでしょう。
【追記】 やっぱり、毎回、記事作成に疲れるわぁw
あわよくば、トラバ待ってます。
⇒皆さん、トラバありがとうございます!TK風に 「I'm glad!」
第6話 『Family Affair』 (動画) 次回 第7話 『
Alive 』
→ まだ、俺たちは生きている!
音無には妹がいたのかな・・・?
アニメ AngelBeats! 第5話 『Favorite Flavor』 ※音無視点の記事です
【大好きな風味】 テスト、それはSSS(死んだ世界戦線)にとっても大切なミッションだった。 天使の猛攻が始まる時期、それは身も凍えるような戦争。 ・・・・・・・・・と俺は思っていた。 俺は呆れ返った。 まさか、ただの試験だったとは・・・。 しかし、それでもSSSは断固として事を遂行する。 内容は天使の答案用紙を別の用紙にすり替えるというものだ。 目論見はただ一つ。 天使の成績を悪化させ、生徒会から引きづりおろすこと。 まさに虎視眈々と獲物を狙い定める露骨でいけ好かない作戦だった。―――俺は妙な胸騒ぎがして、終始落ち着かなかった―――
今回の選抜チームは以下の通りだ。 ゆり、日向、高松、大山、竹山、そして俺。 何故、俺が選ばれたかというと、“何となく ”だからだそうだ・・・。 それにしても、天使の“名前 ”が判明していない以上、どう足掻いても ミッションは成功しない。 挙げ句の果てに誰も天使の本名を知らない。 ・・・SSSのメンバーは肝心な部分がいつも抜けているような気がする。 結局、俺が職員室で名簿を調べることになったんだが、その時、天使に止められた。「どこ行くの? テスト始まるわよ?」 俺は咄嗟に言い訳を思い巡らすが、愚劣なアイデアしか浮かばず、反芻していた。 緊張して、慌てふためいているそんな俺を見て、天使は静かに言った。「そんなに不安? ・・・落ち着いて、大丈夫よ。えっと・・・」 「あ、あぁ・・・音無」 俺は名前を告げると落ち着きを取り戻し、今度は天使に本名を訊ねてみた。「橘・・・。下? ・・・奏・・・」 たちばな かなで・・・?【心が澄み切った音楽を奏でるような、そんな優しい響き】 俺は目的を忘れ、山紫水明の景色を観ているかのように 不思議と心が安らぐのだった。 SSSメンバーに天使の本名を報告するが、ゆりは既に知っていた。「忘れてただけよ!」 今思うと、ゆりと天使は対照的・・・なんだな。 天使がピアニッシモなら、ゆりはフォルティッシモだろうか。 そのくらい、言動に強弱の差がある二人だ。 このような考えまでに至ると、ふと納得してしまう。 ゆりと天使が敵対している理由が・・・。【あなたは何故、天使なの?】 テスト開始。 普通に物理のテストだが、すらすらと解けてしまう俺。 あれ、記憶が無いのに知識がある・・・矛盾していないか? しかも物理だ・・・理系だよな? だが、普通にテストを受けてしまうと、消されてしまう可能性があるという。 俺はわざと空欄を作り、普通に答えないように書き記した。 テストは終わり、そして・・・ミッションスタート。 日向、失敗。(犠牲第1号) 高松、失敗。(何でそんなにマッスルなんだ) 竹山、成功。(ユリの日向・高松の犠牲推進用エンジンのおかげともいう) 大山、失敗。(人生最大の屈辱) 兎にも角にも、テスト期間は終わりを告げた。 と同時に、号外ならぬ驚くべき真実が周囲に伝わった。 天使、いや、橘の生徒会長辞任。 SSSにとっては吉報なのだろうが、俺は釈然としなかった。 こんなのただの・・・。 新たな生徒会長は副会長の直井という一般生徒が任命された。 そんなことは他所にSSSは一般生徒に成り下がった天使に対し、オペレーションを仕掛ける。 攻撃手法は真珠湾攻撃のようなものだ。 えげつない作戦は新たに結成されたバンド 「ガルデモ」 の演奏で火蓋が切られる。 何でも岩沢が最期に残した曲 『サウザンド・エナミス』 の反響も窺うという理由もあり、 今回のオペレーションに起用されることに至ったらしい。 ただ、今回の敵は天使ではなくなる可能性が高い。 一体、俺たちは何と闘うのか? 一般生徒だとしたら、攻撃してはならない・・・どうすればいい。 ガルデモの曲は予想以上に人を惹き付けた。 当初は手足を措お く所なしだったが、ユイも満更まんざら ボーカルが務まらない訳ではないようだ。 岩沢の曲とユイの唄が一心同体になり、彼女たちはまるで一蓮托生のように感じた。 暫くすると、天使が独りやってくる。 一般生徒もしくは新たに任命された生徒会長がやってくるのではと杞憂していただけに俺は一安心する。 しかし、いつものように俺たちを止めにくるような素振りは見せず、淡々と ライブ会場(体育館)に向かっていく。 俺は橘に戦意はないことを確かめ、皆に銃を下げるように指示する。 橘は飄々とした雰囲気を露呈させながら、ライブ会場に入り、食券を買う。 どうやら、その食券は全校生徒が一切手につけない激辛で有名な麻婆豆腐らしい。 彼女は黙々と食券を買い、食堂へ足早に赴いていく。 ・・・だが、SSSの直情径行けいこう が災いし、橘の食券は宙を舞い、飛び散った。 そう、ここで、ライブ締め用の御家芸、食券桜吹雪が発動したのだ。 それは、ガルデモの曲が最高潮に達した時に食券を観客に降らせる天国からの贈り物である。 そんな天国とは裏腹に食券を失った橘は・・・どこか寂しそうだった。 俺は拾った麻婆豆腐の食券を手に食堂へ向かい、それを食す。「うおっ! 一口で激辛!!! ・・・でも、美味いぞ! 日向、食ってみろよ」 隣に座っていた日向にそれを勧めた。 日向も激辛に最初は苦しんだが、後からくる美味に気づき、美味しいと言った。「それ、天使が買った食券よ・・・」 目の前にはゆりが座っていた。 彼女は淡泊にそう答えた。 橘は・・・激辛麻婆豆腐をただ食べたかっただけなのか・・・? 俺は、そんな気にも触れず、忽然と彼女の幸せを奪ってしまった・・・。 彼女の“大好きな風味 ”を・・・さ・・・、俺は奪っちまった・・・。 独り食堂で座って“大好きな風味 ”を堪能する橘。 その背中は意気阻喪としていて、うなだれていた。 大好きなものを食しているのに、目の前にあるのに、彼女の周りだけが・・・真っ暗闇。 俺は・・・そんな彼女に思い、半ばに過ぐ。「今の天使なら、俺たちの仲間になれるんじゃないかな?」 『縁は異なもの、味なもの』 とはこういうことを言うのかもしれない。 橘は悪じゃない。 彼女は生徒会の長として、全校生徒を見守る役目もある。 その職務を純粋に遂行するべく、風紀を乱したSSSに対し、ガードスキルを身につけ 対抗してきただけだったんだ。 俺は嗤うしかなかった。 自分の惨めさに・・・勘違いに。【水は方円の器に随したが う】 橘 奏。 それが、天使の本名だった。 俺たちと同じ・・・人間だった。 死んだ世界にだって、現実と同じ環境がある。 俺たちは今・・・人生を歩んでいる。 だから、いつか皆で・・・笑顔になって“さよなら ”をしたいよな・・・。 (終)
【変化した点】 OPが天使Verに戻り、ユイが新たに追加されていました。
ED描写では、高松のマッスルが華開いてましたw
【考察】 天使こと奏の過去のヒントが出てきましたね。
まず、性格とは似合わず、激辛麻婆豆腐が好きだということ。
そして、どこか孤独を醸し出していること。
名前が奏だけあって、音楽に関連しているということ。
その点だけ、OPには通ずるものがありますね。
第5話 『Favorite Flavor』 (動画) 次回 第6話 『
Family Affair 』
→ ふむ、家族か。
アニメ AngelBeats! 第4話 『Day Game』 ※日向視点の記事です 【日中試合】 あの地方大会最終回で、俺は何かを失ってしまった。
そうだ、俺は野球部で甲子園を目指していたんだ。
幾度となく続く暑い夏の日差しを浴びながら、ただひたすらに試合に臨んでいた。
口の中は泥の味しかしなかったが、あの最後の試合だけは鮮明に覚えている。
そう、後悔という苦い味を・・・・・・・・・・・・・・・。
―――おそらく、俺は知っている―――
SSS(死んだ世界戦線)にも、戦線ならぬ闘いというのがある。 といっても、学校行事の一環である球技大会のことだ。 一般生徒たち(NPC)との試合に負けてしまえば、 ゆりの世にも恐ろしい死罰ゲームが待ち構えている。 「負けてはいられない」 単に罰ゲームを受けたくないからという理由だけじゃない。 俺の心がそう告げているんだ。(ちょっとくさいぜ) 兎にも角にも、最強チームを作るべく、俺は最強メンバーを集めた。 ・音無(音無最高ぉ?!) ・ユイ(お前は必要ない) ・椎名(影の実力者だぜ) ・野田(ゆりに惚れているアホ) ・ユイ親衛隊?の一般生徒3人(ストリートライブで積み重ねた結果、ファンができたそうだ・・・) 俺も含め、8人・・・心許無いメンバーが混じっているが、もう後は何が何でもやるしかない。 俺の心の友である松下が裏切ったのはショックだったが・・・。 プレイボ?ル! 青空の下、太陽が日照る中、『Day Game』 は開催される。 (チーム集めをしている時と同じだ・・・。青空が広がる太陽を見つめると・・・ 不思議と鮮明に蘇ってくる・・・。あの頃の俺の・・・生前の記憶・・・。 この感覚は何だろう・・・? 懐かしいな・・・。頭がぼ?っとする・・・) 我を忘れてしまう感覚に陥った俺だが、気には留めなかった。 さて、天使率いるチーム生徒会も言わずもがな参戦する。 まぁ、SSSとしてのゲリラ参加だけあって、既に生徒会には目をつけられている訳だから 避けられない闘いになるのは当然だ。 しかし、一致団結の掛け声もままならぬチームだ・・・どこまでいけるか・・・。 ・・・予想通り、音無と野田の勝手気まま試合になってしまっていた・・・が、 戦力は戦力、打撃については強いチームだった。 その甲斐あって、順当に決勝まで勝ち上がっていった。 そして、ついに生徒会チームとの決勝戦。 一般生徒が野球部レギュラー全員とは卑怯だが、それでも挑んでいくしかない。 試合の時は流れ、いよいよ9回最終回裏。 2アウト、ランナー2,3塁。 [7?6] で1点勝ち越している。 (実はここまで辿り着けたのは、食券に釣られた松下の支援があったからだ) このまま守り抜けば勝てる試合だ・・・。 しかし、妙だ・・・さっきから何度か集中力を欠いてしまう。 やはり、『Day Game』 の中の環境がそうさせているのか・・・? ひたすら忘機しようと試みるが、どうしても脳裏に焼き付いてしまう。 記憶が蘇えれば、自ずと走馬灯のように想い出が駆け巡る。 “死後の世界 ”でも・・・こんなことができるんだな・・・。 よくみたら、地方大会最終回と全く同じじゃないか・・・。 あの頃の俺は“一つの後悔 ”をしていた。 このまま守り抜けば地方大会で優勝できた・・・。 なのに、俺は最後の場面で簡単なセカンドフライを・・・掴めなかった。 チームからは非難され、自分自身に茫然自失してしまう俺。 そんな中、一人の先輩が落ち込んだ俺を励ます為に“恵み ”を与えてくれた。 ・・・・・・薬物・・・・・・ そのまま俺は・・・気の赴くままに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。「お前、この試合に勝ったら消えるのか?」 !!! 音無の声が響いた。 俺は消えない、消えてたまるか・・・まだまだ俺は・・・。 しかし、死後の世界も理不尽だ。 定位置でのセカンドフライがきた。 このまま直立してボールを待っていれば掴める。 あぁ、あの頃の“後悔 ”が今、消える・・・。 成し遂げる・・・最高の・・・感覚。 それが味わえるのか・・・死後の世界で!『 そいつは 最高に 気持ちがいいな・・・ 』 物言えぬ浮遊感が漂うと、身体が軽く感じられた。 あと・・・もう少しで・・・。「捕るな、日向っ! 俺は・・・俺は!! お前に消えて欲しくないっ!!!」 音無が走ってくる気がしたが、そんなのはどうでも良かった。 んっ・・・音無の・・・声? ドカッ!!!「すきありぃぃぃ?????!!!!!」 ユイが不意に俺にタックルを仕掛けてきた。 言うまでもなく、その衝撃でボールは捕れなかった。 そのまま・・・生徒会チームの優勝に終わった。『 音の無い声が 彼を 死後の世界に引き留めた 』 何だか妙だ。 憎らしいお前に感謝をしたくなってしまった。 そして、親友のお前に。 「ありがとう ユイ」 「音無・・・サンキューな」「俺は まだ ここに居る」 (終)
【補足】 『 そいつは 最高に 気持ちがいいな・・・ 』
薬物による気持ちの良さと生前で果たせなかった後悔を打ち砕く達成を比較させた言葉です。
本来の気持ちの良さとは後者であることを物語っています。
『 音の無い声が 彼を 死後の世界に引き留めた 』
もしかしたら、音無は込めた想いを実現させてしまう能力を持っているのでは?
今回は偶発的かもしれませんが、音無の想いも日向を残存させることに
繋がったのではないでしょうか。
だとしたら、天使との関わりが強くなってくる可能性があり、重要になってきます。
ちなみに、〔音無=音の無い声〕 と喩えてみました。
【変化した点】 OPがユイ独壇場の描写になりましたね。
といっても、今回は新たにSSSメンバーとしてボーカルに選ばれるという展開があったから
今回は自然な流れを出すために演出されたのでしょうね。(こういうのは好きです)
あと、竹山が新たに追加され、岩沢が居なくなりました。
ED描写ではユイが加わり、日向とのコンビが描かれていましたね。(案外いいコンビ?)
あと、遊佐が右端描写から左端描写に移りました。
【雑記】 ユイはノリの違いで口調が変化しますねw
普通にのほほん口調と思いきや、激しかった。
【考察】 ユイは岩沢の代わりとありますが、同じような境遇であったことを
強調させる為にあえて使った言葉なのではないでしょうか。
岩沢のバラード 「
My Song 」 をユイが聴いていた時、ユイは泣いていました。
即ち、歌詞に共感していたことが推測できます。
岩沢のような人生をユイも歩んでいた、と考えられます。
第4話 『Day Game』 (動画) 次回 第5話 『
Favorite Flavor 』