【 タビー & 匂坂 ?流星群? 】ハセヲに対して信用できなくなったタビーは、気持ちを落ち着かせる為に匂坂の所へと赴く。
匂坂はタビーに師匠、師匠と言われ、タビーからは非常に信頼されていた。
タビー 『 ハセヲ…もう、信用できないかも…。 師匠?。 でも、私には匂坂の師匠が居るもんね! 聞いてる? 』
匂坂 『 ぁ、あぁ…。 』
タビー 『 何か師匠、変! 』
匂坂 『 何がよ? 』
タビー 『 師匠も行くの? 』
匂坂 『 ぇ……ど、何処に…? 』
タビー 『 流星群、観に。 』
匂坂 『 ぇ…。 』
タビー 『 ふふぅ。 今朝のニュースでやってたよ?。
何十年に一回だっけなぁ。 とにかく流れ星がたくさん出るんだって! 』
匂坂 『 …ぁ…? 』
タビー 『 知らないのぉ? 』
匂坂 『 ぁ? あぁ…。 』
タビー 『 チッチッチ?! 駄目だなぁ?師匠?。 今夜は東の空に注目ですぜぇ! 』
匂坂 『 ん…俺の1Kのアパートじゃ、無理だな…きっと。 』匂坂はタビーの言葉に一瞬、焦りを抱いた。
それは、?
師匠も行くの??という言葉。
匂坂はハセヲと同じく、TaNに行くのか?とそう聞こえてしまっていたのだ。
だが、幸いなことにタビーはリアルでの流星群の話をしていた。
匂坂は俵屋から受け取ったウイルスコアを肌身離さず、左手に握り締めていた。
【 志乃 & オーヴァン ?計画通り? 】ロストグラウンドのアルケケルンの滝場にて、二人だけの秘密の会話をしている。
志乃 『 じゃあ、私…今日は?ミッション?の内容を伝えたら、落ちるから。 』
オーヴァン 『 あぁ…いつも済まない。 』
志乃 『 病院の先生も経過は順調だって! まだ先は長いかもしれないけど…。 』
オーヴァン 『 そうか…。 』
志乃 『 今回のミッション、匂坂君とタビーで進めてもらうね。 ほら、ハセヲ君って気難しいから、今のままじゃ。 』
オーヴァン 『 君に任せる…。 』
志乃 『 うん。 』その後、オーヴァンは無言で志乃に背を向けて、滝場から立ち去ろうとするが、すぐに立ち止まってこう呟いた。
『 ありがとう…。 』機械的なお礼の仕方だが、気持ちを込めて志乃に改めてお礼をしたオーヴァン。
それから、彼は滝場から立ち去っていった。
リアルでの志乃はどうやら現在、病院に通院か入院をしているようである。
ここから察するに、志乃は今から7年前の 「 The World 」 の経験者である?
昴?と似ている存在であること。
彼女はリアルでは非常に重い病気、足で地面に立つことが出来ないという症状により、車椅子生活を強いられていた。
志乃も何らかの症状を持っているのだろうか…。
はたまた、オーヴァンか誰かがゲーム未帰還者という昏睡状態にあり、入院しているのだろうか…。
とにかく、謎は深まるばかりである。
【 フィロ & ハセヲ ?思春期? 】フィロは橋の上で独り、悩んでいるハセヲの前に突然、現れた。
まるで、ハセヲの動向を一部始終、窺っているように…。
フィロ 『 まるで?思春期の子供?だな。 次はどうするね? 盗んだバイクで走り出すか? 』
ハセヲ 『 !? 』
フィロ 『 疑われて嫌なら落ちれば良い。 それでも嫌なら、止めればいい。 所詮はゲームだ、違うか? 』
ハセヲ 『 ・・・・・・。 』
フィロ 『 濡れ衣だとすれば、それが濡れ衣と自分で証明してみせる他ないだろうな。 さもなくば…あぁ…。 』
ハセヲ 『 ぁ? (空を見上げたフィロに釣られてハセヲも空を見上げる) 』
フィロ 『 今日は落ちて、ゆっくり星空でも眺める…かだ。 』
ハセヲ 『 星? 』
フィロ 『 何だ知らんのか? 今夜、?流星群?が観えるんだぞ? 』
ハセヲ 『 はっ、興味ないね…。 』【 匂坂 と 俵屋 ?心の葛藤? 】タビーは匂坂に流星群が観れたら教えてあげると言った。
匂坂はそんなのは別にいいとやる気の無い声で返した。
そんなやり取りをしている時、タビーと匂坂に志乃からの連絡 (メール) が届いた。
内容は今日も?
ウイルスコア探し?をするということ。
匂坂は
『 また、宝探しかよ…。 』 とうんざりしていた。
タビーは
『 志乃さんが呼んでる?♪ 行こ?! 』 と一目散に駆け出した。
そんなタビーに導かれるままに匂坂は仕方がないなとタビーの後を追おうとする。
その時、匂坂にもう一つの連絡 (メール) が届いた。
連絡はTaNの俵屋からであった。
匂坂は
『 たくぅ…間の悪いこったぜぇ…。 』 とタビーに後で行くから先に行っててくれと促し、
俵屋とのやり取りを優先させた。
俵屋に出会った匂坂は用件をすかさず訊くと、俵屋は自分と組むのか組まないのかと率直に逆に訊ねられた。
すると、匂坂は?
自分とハセヲ、俵屋にとってはどちらが必要なのか?と強要した。
俵屋 『 甘いねぇ、お坊ちゃん。 』
匂坂 『 あぁ? 』
俵屋 『 ?宝石?が二個転がってたら、どっちを取るかって?
へっそりゃ、両方取るに決まってらぁな! 商売なめてんのか? あぁ? 』
匂坂 『 商売ねぇ…。 』
俵屋 『 ゆっくり考えな。 (立ち去る匂坂に) でもなぁ…メール一つでお前はここまで来た。
自らの足で俺に会いにな、ふふ。 』
匂坂 『 今日、流星群が観えるって知ってるか? 』
俵屋 『 はぁ? リアルでの話かぁ? んなもん、何の値打ちもねぇがなぁ。
俺はそんなことに現を抜かす程、暇じゃないんでね! 』
匂坂 『 そう?か…。 』その後、匂坂は志乃、タビーと合流し、志乃から今回のミッションの説明をされた。
内容は通常のダンジョンでもウイルスコアが手に入るかを調べるというもの。
匂坂は俵屋から受け取ったウイルスコアを握り締め、未だ心で葛藤を続けていた。
それでも匂坂は早く三人でダンジョンに乗り込もうと先導しようとするが、タビーに突然、止められ、
彼女は今回のミッションは自分と匂坂の二人でやることを伝えた。
そう、今回は志乃は都合により、もう落ちるというのだ。
志乃は匂坂に謝ると、タビーは
『 ははぁ?ん、さては志乃さん、流星群を観に彼氏とデートだなぁ?
は?ん、解るぞ、解るぞぉ?! リアルの志乃さんも美人で優しそうだしぃ、そりゃ世の男共がほっとく訳ないっかぁ! 』 と急に言い出した。
志乃は否定するが、タビーは続けて、ここは匂坂と二人で頑張るからデート楽しんできてと促した。
それから、タビーと匂坂は通常ダンジョンへと潜り込んでいった。
楽しそうにダンジョンへと向かうタビーと匂坂を見た志乃は微笑んだ。
しかし、その後、何故か誰かを気にするような目を一瞬だけ見せるのであった。
【 フィロ & ハセヲ ?ロマンチスト? 】ちょうど、志乃が誰かを気にするような仕草をしていた時、フィロはハセヲにそろそろ星が観え始める頃だと呟いた。
ハセヲはフィロにもう落ちるのかと訊いてみた。
フィロ 『 うん?、何せ子供の頃以来の流星群だからな。 今日はこの辺で。 』
ハセヲ 『 そう…。 』
フィロ 『 ぁ?? 』
ハセヲ 『 フンっ…。 』
フィロ 『 ロマンチストの欠片もない奴だな、お前は。 』フィロはログアウトした。
偶然なのかもしれないが、志乃と同じくらいの時間に彼はログアウトした…。
独りになったハセヲは流星群の噂が周辺に居るプレイヤーからも聞こえてくるのを耳にすると、こう呟いた。
『 星ねぇ・・・・・・そんなんも有りかもな。 』ハセヲが言った直後、匂坂とタビーが居るダンジョンの天井には謎の?
流星群?が出現した。
【 匂坂 & タビー ?異変のダンジョン? 】タビーと匂坂はダンジョンの奥へと進んでいく。
途中、タビーは大声で
『 あ?!? 』 と叫ぶと、匂坂はPKが現れたのかと慌てて、タビーの方へ振り向き、彼女の心配をした。
だが、その驚きの声はリアルでの話、流星群を観たということに対しての歓喜に震える声だった。
匂坂は何だとばかり、肩の荷を下ろし、心配して損をしたような素振りを見せた。
すると、タビーは匂坂に
『 師匠の家からも観えたぁ?? 』 と言うと、匂坂は
『 だから、俺ん家のアパートからじゃ
無理だってぇ! 』 と繰り返しリアル事情を述べた。
その後、匂坂はダンジョン内に蠢く妖しい光に気付くと、タビーに気を付けろよと指示をした。
タビーは匂坂がついているから大丈夫だと断言し、
『 サク?っと見つけようね、サク?っと! 』 と
脳天気な口ぶりで言った。
その様子を影に隠れてナイフを構えていたTaNのエンダーは
『 ザクっとね。 』 とタビーの台詞に
毒を塗ったような言葉を言い放っていた。
【 ハセヲ & 匂坂 ?葛藤からの脱出? 】突然、タビーと匂坂の居るダンジョン内の天井に?
流星群?のような景色が映し出された。
それと同時に、本当に流星のようなモノが地面へと降ってきた。
流星のような光が落ちた地面には?
血塗られた赤い線で交錯した紛い物?へと変化した。
その危険性に気付いた匂坂はタビーの所へと降ってくることに気付くと、すぐにタビーを流星から回避させた。
だが、代わりに自分の武器が流星に当たってしまい、その武器は消滅し、赤い線で交錯した紛い物へと
変貌を遂げた。
匂坂はタビーにすぐにメンバー全員にメールを送るように指示をし、タビーは慌てながら、メールを出そうとする。
そうこうしている間に匂坂たちを狙って影に隠れていたエンダーが
『 さぁ?て、行くよ。 』 と匂坂たちの居る所へと
軽やかに向かっていく。
それも束の間、タビーの猫の手の形をしたアーム武器に流星が当たってしまい、焦るタビーはそれを外そうと
するものの抜けなくなったみたいで外すことができなくなってしまった。
そこで、匂坂は必死にタビーのアーム武器を外そうと手伝うが、やはり、外れなかった。
と、先程からPKを狙っていたエンダーが華麗に流星をかわしながら自分たちの所へとやって来ることに
匂坂たちは気付いた。
それでも、匂坂はタビーのアーム武器を取り外すことだけに専念するが、流星が匂坂の左足の甲部分に当たり、身動きがままならなくなってしまった。
その後、エンダーが襲い掛かった時、匂坂は動けない身体を犠牲にし、タビーを守ることを決心した。
もうPKされると匂坂が思った瞬間、エンダーが放ったの一太刀を受け止めている?
ハセヲ?がそこに居た。
何とハセヲはログアウトせず、タビーの送ったメールを読み、助けに来てくれたのである。
ハセヲとエンダーの周りは不思議にも流星群が当たっても、何かに包まれているかのように弾き返されていた。
すると、ハセヲは怒りのせいか突然、叫び出し、赤いオーラが彼の周りに浮き出ると、ダンジョン内にそのオーラが
響き渡り、幻の流星群がダンジョン内から消失した。
まるで、ダンジョン内の流星群はハセヲの心を映し出しているかのようだった…。タビーはハセヲの助けに非常に喜んでいた。
しかし、悪い知らせがハセヲとタビーの耳元に届いた。
それは、匂坂がTaNと通じ合っていたこと。
そのことを彼らに告げたエンダーは妖しく微笑みながら、ハセヲをゆっくりと楽しむように蹴りながらPK行為をしていく。
そして、ハセヲを心配しているタビーまでも蹴られてしまう。
ここで匂坂はウイルスコアを握り締めながら、決心した。
匂坂 『 お前、今日、流星群が観えるって知ってるか? 』
エンダー 『 興味ない。 』
匂坂 『 だろうな。 』匂坂は武器を取り出し、エンダーに立ち向かっていく決心をしたのだ。
そして、タビーに
『 俺ん家のアパートからも…観えたぜ、流星群。 』 と前言撤回をした。
その後、エンダーと匂坂は互いに迫り合い、倒れたハセヲも立ち上がって加勢する。
二対一と匂坂に分がある展開。
だが、武器と武器が衝突し合い、火花が二回ほど霧散した後、ザンッと音が響き、匂坂は
『 うあぁぁぁ?!!! 』 と
エンダーに倒されてしまった。(PKされてしまった)
タビーは
『 師匠? 』 と少し呆れた声を出していた。
(終)<感想>志乃はSIGNの昴と同一人物ではないにしても、何だか存在が似ていますね。
いやぁ…?病院?という単語が出てきたので、そう思ってしまっただけです。(ぁ
何にしても、志乃が昴という説は、でっかい違うらしいですね。
やはり、全くの別なプレイヤーなのでしょうかね。
無事に7年前に退院した司も関わっていたら、面白いのですがねぇ?。
それとフィロはやはり、志乃と何か関係がある気がするのですが、気のせいでしょうか。
以前のキャラクターが関連している可能性が出てくると、何かワクワクしてきますよ。
まぁ、期待は裏切られるのがセオリーですがね。(ぇ
そうそう、タビーはSIGNのミミルという噂も…。
次回は 『
Intrigue 』 (陰謀)。
オーヴァンと志乃を指しているタイトルでしょうか。
ついに、あのゲーム版に登場するカイトのデータシルエットのようなものが予告に出てきましたね。
といっても、SIGNもゲーム版の内容もほとんど忘れています…。( ̄ー ̄;
それにしても、面白くなってきましたね?。