Rozen Maiden -träumend- ?ローゼンメイデン トロイメント?
◆第10話 『巴』 について◆≪前回 最終場面のあらすじ≫倒れた
蒼星石をしっかりと受け止める
翠星石。
姉妹の絆……翠星石は心が枯れるくらい蒼星石のことを大事に想っていた。
翠星石は
『 一緒に帰るですよぉ、蒼星石!!! 』 と叫ぶ。
蒼星石は
『 あはっ…一緒に…? 』 と微笑みながら彼女に言う。
『 ボ…ボクのローザミスティカを…。 』 彼女は翠星石にそう言うと、全身が光で包まれ、胸にあるローザミスティカが露になった。
それは、この世の物とは思えない程、美しく…また神々しく輝いた宝石の様な物だった。
翠星石は唖然としたまま、嘆き悲しむ。
真紅、
雛苺、
水銀燈、
薔薇水晶…誰もが彼女のことを見つめていた。
水銀燈は
『 ふふっ♪ 』 といかにも達成したような喜びを得ていた。
真紅は
『 あれが……ローザミスティカ…。 』 と呆然としたまま、驚いていた…。
≪今回の物語≫【 誰も逃れられないアリスゲームの呪縛 】水銀燈との闘いで
蒼星石は倒れ、蒼星石の?
ローザミスティカ?が身体から取り出された。
慌てて
翠星石は蒼星石のローザミスティカを蒼星石の身体と一緒に取りに行こうとするが、水銀燈に
紙一重の差で奪われてしまう。
水銀燈はそのローザミスティカを直に手にすると、
『 これが…ローザミスティカ…♪ 』 と歓喜に震えていた。
翠星石は蒼星石のローザミスティカを返すように水銀燈に言うが、
水銀燈は
『 嫌よ! これは、私が貰うの…だって、私が勝ったんだもの…。 』 と言いながら、
自分の身体に彼女のローザミスティカを取り込んだ。
その光景を目の当たりにした
真紅、
雛苺、翠星石は、ショックの顔を隠せなかった。
真紅 『 水銀燈…貴方…! 』水銀燈 『 な?に、その顔? 闘うのなら相手するわよ。 』真紅 『 んっ…。 』水銀燈 『 まだいい子ぶってるなんて…真紅って本当に、お・馬・鹿・さん♪ 』そう言いながら、水銀燈は真紅に黒羽で攻撃を与える。
真紅は防御壁を出すが、黒羽はそれを見事に貫いた。
今までの水銀燈の力の比では無かった…蒼星石のローザミスティカを取り込んだことにより、
更に強大な力を得たのだった。
翠星石は?
抜け殻?の蒼星石を連れ、真紅と雛苺の元へと合流する。
その後、
薔薇水晶は、彼女たちに
『 貴方たちは…弱い…。 』 と真紅たちに襲い掛かろうとするが、
水銀燈がそれを邪魔し、
『 残念ね、?アナタ?の思う通りになるつもりはないの。 バイバイ♪ 』 と言って
立ち去って行った。
それは、薔薇水晶にとっては予想外のことだったのかもしれない。
突然、そこに
ラプラスの魔が現れ、
『 ここは?第2幕?まで…しばしの休憩を…。 』 と言い、
真紅たちに
nのフィールドから脱出させようとする。
真紅たちは、それに否が応でも応じるしか手段は無く、そこから立ち去って行くのだった。
ラプラスの魔は薔薇水晶に
『 お気に召しませんか? 』 と意味深なもの言いで言い放った。
突然、アリスゲームの闘いが中止されたことが原因で、薔薇水晶は少しご機嫌斜めであったのだ。
【 蒼星石とのお別れ…そして、雛苺に起こる異変 】桜田家へと戻った
真紅たちは、安らかに眠る
蒼星石をただ見つめていた。
桜田 ジュンと彼の姉である
桜田 のりはその蒼星石を見て、とても悲しんでいた。
真紅は
『 これがアリスゲーム…。 』 と再び、そのゲームの本当の意味を考えていた。
翠星石は何も考えられず、ただ抜け殻の蒼星石を見て、涙を流し、嘆き悲しむのだった。
そんな彼女に真紅は
『 涙を拭きなさい…蒼星石は貴方のそんな顔を見たいとは思っていないはずよ…。 』 と慰めた。
そして、真紅たちは蒼星石を彼女の鞄へとそっと還す。
翠星石は蒼星石の身体に数秒間、触れ続けた。
それは、姉として…かけがえのない妹を大事に想うからこその行動だった。
真紅 『 翠星石…確かに、蒼星石の魂は遠くへ行ってしまった。
けど、彼方から呼び戻す声が届くこともある…離れていても…必ず、また会える。
だから、今は……。 』翠星石 『 ほんのちょっと…眠っているだけなのです…ほんのちょっと……。 』真紅たちは、蒼星石と?
しばしの別れ?を告げ、本当の安らかな眠りの場所…彼女の鞄をそっと閉めた。
悲しみに浸る翠星石に、ジュンは彼女の肩にそっと手を置いた。
真紅、
雛苺、
金糸雀…誰もが虚ろな瞳でお別れをするのだった。
その直後のこと、突然、雛苺に?
奇妙な変化?が表れる。
雛苺は視界がぼんやりするようになり、彼女に異変が起き始めた…。
【 水銀燈の一途な想いは、めぐへと届く 】一方、
蒼星石のローザミスティカを手に入れた
水銀燈は、
心臓疾患の病を持つマスターである
めぐの元 (病院) へと訪れていた。
そして、水銀燈はめぐの契約指輪にそっと手を差し伸べ、眠っているめぐに力を与えようとする。
何故、水銀燈はめぐに力を与えようとしたのか…
それは、めぐの身体を治してあげたいという、その気持ちがあったからだ。
突如として、
薔薇水晶が
『 無駄です…。 』 と言いながら、そこに現れた。
薔薇水晶 『 その?欠片?だけで救うことはできないでしょう。
救うには、?全てのローザミスティカ?を集め、その力を貴方を通し、
ミーディアムに移すしかない。 』水銀燈 『 そういうこと…なら、アナタのローザミスティカも必要ね…。 』その時、めぐが
『 天使さん…。 』 と水銀燈に言いながら、目を覚ました。
それに気付いた薔薇水晶は、すぐにその場を立ち去った。
水銀燈はその薔薇水晶を逃がしてしまったことに、
『 ちっ…。 』 としくじる思いを痛感していた。
それを他所にめぐは、
『 来てくれた…。 』 と水銀燈を見て、とても嬉しがっていた。
そして、めぐは光った指輪を見る。
めぐ 『 ぁ…綺麗?……うふふ…。 』
水銀燈 『 …何故、笑うの? 』
めぐ 『 ぇ!? 私、笑ってた? …この光のせいだと思う…透明で暖かくて儚くて…私、好きよ…この光。 』光った指輪は、まるで…めぐ自身を象徴しているかのようだった。
そんな彼女を見て、水銀燈は優しそうに微笑むのだった。
【 ジュンの想いがアリスゲームに利用されていく 】その頃、
ジュンは
人形師・槐の所を訪れ、一度壊れた人形を?
修理?できるかを人形師・槐に訊いてみた。
人形師・槐 『 修理? 』 ジュン 『 はい。 』
人形師・槐 『 可能だ。 』 ジュン 『 本当ですか? 』
人形師・槐 『 しかし…修理をしても全てを戻すことはできない。 遠くに旅立ってしまった魂は戻らない…。 』
ジュン 『 ぁ…ぅ…。 』
人形師・槐 『 もし、それを操れるものが居るとしたら…それは……… 』ジュンは
蒼星石を元通りに直せないかを人形師・槐に訊いてみたのだ。
だが、人形師・槐は形そのものを今までと同じ風に直せても、中身までは同じ風には直せないと言った。
人形師・槐はまるで、?
自分が造った?かのようにジュンに言い放っていたのだ。
その光景を覗いていたドールショップの店員である
白崎と、いつも白崎の傍に居る
薔薇水晶は思惑通りと
いった表情で微笑むのだった。
【 もうすぐ停止してしまう雛苺 ?悲しみに浸る真紅とジュン? 】やがて、
ジュンは家へ帰ると、また悲しい知らせが、彼に舞い降りて来た。
それは、姉の
のりからの
雛苺の調子が急におかしくなったという悲しい知らせ…。
---二重のショック…だんだんと?
お別れ?という言葉が強く儚いものへと変化していく---
雛苺の元へと急いで向かったジュンは、
真紅に 『 どうしたんだ? 』 と訊く。
真紅 『 始まったの……雛苺のローザミスティカが、もうすぐこの子の身体を離れるわ…。 』
ジュン 『 そんな……。 』
真紅 『 いつかこうなると思っていたの……雛苺は闘いに破れ、指輪を失った。
本来、アリスゲームに残る資格は無いドール。
今まで動いてきたのは、私を通してジュンの力を使っていたから…。
蒼星石のローザミスティカが奪われた今…お父様は、もうそれをお許しにならない。 』
ジュン 『 そんなっ!!! 』
真紅 『 もうジュンの力は雛苺には届かない…残っている力を使い切った時には……… 』真紅がそう言った後、雛苺は目覚めた。
真紅は雛苺に
『 調子はどう? 雛苺。 』 と優しい声で呟いた。
雛苺は
『 うんっ! 』 と元気よく返事をした。
そして、彼女はジュンに抱きつき、いつものようにはしゃぐのだった。
その光景を見ていた真紅は、悲しみを抑えきれずに俯いてしまう。
ジュンもまた笑ってはいるものの、悲しげな表情だった…。
この時から、雛苺は自分自身の身体の変化を悟り、
自分の命はもう?
あと僅か?であることを理解していた…。
【 雛苺と巴 ?最後の思い出? 】ジュンは以前の
雛苺のマスターであった
柏葉 巴の所へと雛苺を連れて行く。
巴はジュンから雛苺が残り僅かな命であるということを知らされていた。
雛苺は大いにはしゃぎ、巴に抱きつく。
ジュンは、雛苺の大好きな苺大福を巴に渡し、雛苺はそのことに今まで以上に嬉しがっていた。
そして、
『 食べ過ぎるなよ。 』 と雛苺に注意を促したジュンは、
今までには無いような優しさを醸し出していた。
雛苺はそのお返しとして、ジュンに自分の一番大切な?
1本のクレヨン?を渡した。
それは、?
今までありがとう?の意味が込もった想いが詰まっていた…。
ジュンは雛苺と巴にさよならを言って、立ち去る。
ここから、雛苺と巴との?
最後の思い出?が始まった…。
雛苺はクレヨンで絵を描いて楽しむ。
巴はその姿を優しい眼差しで見つめていた。
そして、思い出の?
コイン?を見つけ、それを手に取って回想する。
次々と出てくる思い出の品…。
?
雛苺特製の巴へのお守り?、?
雛苺愛用のクレヨン?…。
それらの思い出の品々は巴の家に保管されていた。
雛苺は当時、
ジュンに大事な物を捨てられるのではないかと、心配していたから、
巴の家に保管するようにしたのだ。
だが、本当の想いは?
また巴に会いに来れるから?という理由が本当だった。
雛苺 『ジュンが怖くないって分かったら、また取りに来るの…だから、巴に持ってて欲しいの。 』巴は全ての雛苺との思い出を回想しながら、
『 良かったわね、桜田君。 』 と言いながら、優しく微笑んだ。
そう、今のジュンは怖くない?
優しい人間?だから…。
巴は
雛苺に遊ぼうと声を掛ける。
雛苺は、かくれんぼがしたいと言うので、巴は鬼になって数を数え始める。
雛苺は懸命に隠し場所を探すが、その時、また異変が起こった。
カクカクと雛苺の身体が軋み出し、彼女は立っていられなくなり、尻餅をついてしまう。
巴は心配したが、 既に原因を知っていたことを噛み締め、
『 …髪、梳かそうか? 』 と
優しい声で言うのだった。
雛苺は
『 うんっ! 』 と巴の気持ちを分かった上で返事をした。
【 誰も居なくなった…人形師 ・ 槐 のドールショップ 】一方、
ジュンは
人形師・槐のドールショップへとまた訪れた。
だが、そこには誰も存在しておらず、
蛻の殻だった。
ジュンはその時、変だなと不思議に思った。
【 雛苺の最期の時間を確認する真紅 ?雛苺のフィールドへ向かう? 】桜田家では、
真紅と
翠星石と
金糸雀は 「
くんくん探偵」 の番組を観ていた。
金糸雀以外は、楽しく視聴していなかった。
真紅は現在の時刻を確認し、すっと立ち上がり…
『 二人とも、一緒に来て…。 』 と翠星石と金糸雀に言う。
【 ヒナとトモエ 】巴に
櫛で髪を梳いて貰う
雛苺は、巴にして貰うのが一番気持ちいいと言った。
そんな穏やかな時間…雛苺と巴の一緒に居る時間は刻一刻と短いものとなっていく…。
雛苺 『 巴…。 』 巴 『 何? 』
雛苺 『 ア・リ・ガ・トウ…。 』 巴 『 はっ…!? 』
雛苺 『 ヒナ…もうすぐ止まっちゃうん……でしょ?
ジュンや真紅や巴、見て…ヒナ、解ったの…もう子供じゃないもん…。 』
巴 『 あぁ…。 』
雛苺 『 ヒナね…怖くないよ…皆と一緒で…とっても楽しかった…から…。
巴と出会って、真紅に会って、ジュンのおウチに行って…皆…ずぅっと傍にいて…くれた…から…。 』
巴 『 うぅ……。 』
雛苺 『 トモエ? 泣いてルの? ゴメんね…ヒナの…せいナの…!? 』
巴 『 うっうっうっ……そんなことない! うっうっ…お礼を言うのは私の方…。
…ヒナがいてくれて…楽しかった…いつも元気に…元気になれた…。 桜田君の家に行ってからも、
毎日、あなたのこと考えてた。 1人で部屋に戻る度に思った…今頃、どうしているだろうって…私のこと、
忘れちゃうんじゃないかなって…。 でもあなたはそんなこと無くて、ちゃんと覚えていてくれて…
私、あなたに何もしてあげられなかったのに…。 』
雛苺 『 ソンなこト、ないヨ……眠っテるヒナを起こシてクレたの…カバンから出しテくれタの…。 』
巴 『 雛苺っ! 』
雛苺 『 ……ト・モ・エ…… 』
巴 『 雛苺ぉ…。 』
雛苺 『 泣かナイで…ダイじょウぶ…ヒナが居なクなっテも…トモエの傍には…皆…いルカら…。 』『 ………ヒトリジャ…ナイ…カ…ラ……
……ダイ…ジョウ…ブ…ダョ………ん……… 』そして、
雛苺の意識は
巴の腕の中で途絶えた…。
巴は嘆き悲しみ、とめどなく溢れる涙は止むことは無かった…。
【 安息の眠りにつく雛苺のフィールド 】真紅は
翠星石、
金糸雀を連れて、?
雛苺のフィールド?へと向かった。
そこには、雛苺の?
ローザミスティカ?が存在していた。
真紅はその想いを受け止め、自らの身体にそれを埋め込んだ。
真紅 『 離れていても…必ずまた会える…。 だから悲しまないで欲しい…そう言っていたわ…。 』
金糸雀 『 ヒナ…。 』
翠星石 『 と…当然です…?雛苺?も蒼星石も、必ず戻って来るですぅ…必ず…。 』雛苺のフィールドは消失していき、本人同様に安らかな眠りへと入った。
名残惜しむ気持ちを胸に真紅たちは、その場を立ち去っていく。
真紅 『 お父様…これがお父様のお望みなのですか…これが…。 』【 全てはアリスゲームの為に…そして、お父様の為に… 】その後、
真紅たちはいつもとは違う場所へと出てしまう。
そこには
ジュンも居た。
ジュンが今、居るこの場所は
人形師・槐が営むドールショップである。
ジュン 『 お前ら…どうしてここに!? 』
真紅 『 ここは何処なの? ジュン。 』<そこに突然、白崎が現れる。>白崎 『 言ったでしょう…深き森は、迷いの森と…。 』
真紅 『 ラプラスの魔…。 』
ジュン 『 ぇ…。 』<白崎という人間を演じていたのは、ラプラスの魔だった。>ジュン 『 そんな…。 』
ラプラスの魔 『 ふふふふふふふ…ふふっふっふっふ…。 』
真紅 『 どうやら、はめられたようね…。 』
ラプラスの魔 『 綺麗は汚く…汚いは綺麗…考えるは詮無きこと…。
しかし、抗い難き器は…すぐそこに…。 』
翠星石 『 薔薇水晶!? 』
ジュン 『 そんな…。 』
薔薇水晶 『 アリスが誕生するまで、後少しです……?お父様?。 』<そこに、人形師・槐が現れる。>ジュン 『 ぇ…。 』
真紅 & 翠星石 & 金糸雀 『 あぁ…。 』
真紅 『 お父様………。 』お父様と呼ばれる人物…つまり、
人形師・槐は真紅たちを見て、妖しく微笑むのであった。
人形師・槐はローゼンメイデンシリーズを造った?
お父様?本人だったのである…。